ビジネス

国内金価格 ドル円が1円変動すれば1グラム当たり約54円動く

 日本国内の金価格は、為替の影響を受けるため、これまでの円高状況では金価格が上昇しても円高で相殺され国内金価格はそれほどあがらなかった。だがこのところの円安で状況が変わりつつある。金価格の動向に詳しいマーケット ストラテジィ インスティチュート代表取締役の亀井幸一郎氏が解説する。

 * * *
 年明けから国内金価格の上昇が話題になっている。金の店頭小売価格(税込み)は1月11日、1グラム=5000円を突破して32年ぶりの高値をつけ、東京工業品取引所の金先物も2月4日に上場来初の1グラム=5000円の大台に乗せた。急速な円安進行が国内価格を押し上げた格好だ。

 国内の金価格はドル円相場の影響を受ける。現在の水準で計算すると、ドル円の1円の変動は約54円の国内金価格の変動につながる。

 もちろん、実際の円建て金価格はドル建て金価格とドル円相場の2つの変数によって決まる。したがって、先ほどの計算もドル建て金価格が動かないことが前提となるが、この期間のドル建て金価格は方向感が出ずレンジ相場に始終していたので、急ピッチな円安の動きが国内金価格にそのまま反映されたと言ってよいだろう。

 たとえば、昨年11月から今年1月中旬までの間に1ドル=79円台から89円台へ10円程度動いたが、約10円の円安によって国内金価格は500円~600円程度押し上げられたことになる。

 国内金価格が為替要因によって上昇した一方で、国際指標のニューヨーク商品取引所(COMEX)金先物は1月4日、1トロイオンス(約31.1035グラム)=1626ドルと今年の安値をつけた。これは前日に公表された昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けての急落だった。その後も1660ドル台に戻したものの下落し、3月中旬現在は1600ドルを挟んだ動きで推移している。

 史上最高値1923.7ドルをつけた2011年9月から調整局面は続いており、調整から抜け出せるかどうかは、戻り高値1804.3ドルを超えられるかにかかっている。

※マネーポスト2013年春号

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン