読売「言論弾圧訴訟」にジャーナリストが反撃、5600万円損害賠償請求
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弁護団が提出した訴状。江上武幸弁護士をはじめ、真村裁判のメンバー全員が名を連ねている。 |
2月19日の午後、福岡地裁において、ある裁判の進行について原告と被告、それに裁判官の3者が第1回目の協議を行った。ある裁判とは、わたしが昨年の11月に提起した読売新聞社などに対する損害賠償裁判のことである。
内容が込み入っているので、口頭弁論が始まるまで、まだ若干時間を要するようだが、提訴から3ヶ月を経てようやく裁判が始動したのである。次に示すのは、この裁判の当事者と請求額である。
原告:黒薮哲哉
被告:株式会社読売新聞西部本社
株式会社読売新聞大阪本社
株式会社読売新聞東京本社
江崎徹志(黒薮注:江崎氏は読売西部本社の法務室長)
損害請求額:5628万円
損害請求額の内訳は、弁護士報酬、弁護士の交通費、慰謝料などだ。
この裁判は2008年2月から2009年7月までの1年数カ月の期間に、読売新聞社がわたしに対して3件もの裁判を提起したことが、「一連一体」の言論弾圧に該当するという主張に基づいて、損害賠償を求めたものである。3件の裁判は具体的には次の通りである。
著作権裁判: ウェブサイト『新聞販売黒書』からの催告書の削除を求めた裁判。08年2月25日提訴。09年3月31日に、東京地裁は読売(厳密には江崎氏)の訴えを棄却した。09年9月16日に、東京高裁は読売の訴えを棄却した。10年2月18日、最高裁は読売の上告受理申立を不受理にした。黒薮の勝訴が確定。
名誉毀損裁判1:新聞販売黒書の記事で黒薮が「窃盗」という表現を使って、読売関係者の行為を評価したことなどに対して、読売側が2230万円の損害賠償を求めた裁判。08年3月11日に提訴。09年10月16日、さいたま地裁は読売の訴えを棄却した。現在は東京高裁に係属中。
名誉毀損裁判2:『週刊新潮』(09年6月11日)に掲載したルポで、読売の「押し紙」率を30%から40%と推定したことなどに対して、読売側が5500万円の損害賠償を求めた裁判。09年7月8日に提訴。現在、東京地裁に係属中。
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(上)読売・渡邉恒雄主筆の著書『君命も受けざる所あり』。(下)読売新聞東京本社![]() |
これらの裁判の詳細については後述するが、いずれのケースもわたしが執筆した読売を批判する記事が提訴の原因になっている。
言論による批判に対しては、言論による反論が原則であるが、読売は次々と裁判を提起することで、わたしや出版元に対抗する方法を選んだのだ。
ちなみにわたしは今回提起した損害賠償裁判とは別に、2008年10月にも読売新聞西部本社と江崎徹志氏を被告とする損害賠償裁判を起こしている。この裁判は、読売(厳密には江崎氏個人)が提起した著作権裁判に対する「反訴」の意味合いが強かった。
最初の損害賠償裁判に踏み切った時点でわたしは、すでに読売から2件目の裁判を起こされていた。上述の「著作権裁判」と「名誉毀損裁判1」である。さらに09年7月に「名誉毀損裁判2」を起こされたのである。
こうした状況の下で、読売のわたしに対する裁判攻勢は、「一連一体」の言論弾圧ではないかとの認識が生まれ、原告弁護団は裁判を再構成することを検討し始めた。3件の提訴を関連があるひとつの言論弾圧事件として位置づけたのだ。
そして昨年の11月、わたしと弁護団は、新しい損害賠償裁判を起こし、すでに進行していた損害賠償裁判と統合する方針を固めたのである。
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筆者が読売に提出した質問状。社内における警察の存在と個人情報の保護などについて尋ねている。![]() |
一般論を言えば、ジャーナリストや新聞記者は、ペンの力で社会に影響を及ぼすことに誇りを感じている。ペンの力で世の中を変えたいとういささか大上段に構えた野心に燃えている者もいる。いずれにしても、筆力こそが文筆を職業とする者の誇りであることに異論を差し挟む余地はない
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著作権裁判で問題になった催告書と黒薮の勝訴を認定する最高裁の決定。
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読者コメント
佐藤隆信社長、「押し紙裁判」真っ最中なのに、なぜ週刊新潮で押し紙の事実を国民に知らす努力をしないのか! やはり「お互い」に(公表部数)を水増ししているので「八百長試合」しかできないのかい。やれやれー。
読売ってこういう悪質企業だったんですね。
おそらく、日本の大部分の人は知らないのでしょうね。
読売新聞が正義でないことが黒藪さんの裁判を見てよくわかった。読売側を提訴するのは当然だとおもいます。
銀行による、新聞社への利益供与は、銀行の損失、社会経済的損失、銀行の預金者・株主・他の借主・貸主等の、銀行の利害関係者の損失となります。
ですので絶対に銀行は、新聞社への利益供与・便宜供与を行う事は出来ないのです。
新聞社の会計監査、財務諸表の公開は、義務です。
それが出来ていないのは、立法上の不作為です。
早急に立法の必要があります。
新聞社は日刊新聞法によって、株式を支配されないような規制がなされています。
これは銀行が新聞社に支配関係を持ってはいけないとの事への援用が出来、立法にもつながります。
日刊新聞法の目的と、銀行による支配・利益供与の禁止は、同義となります。
ですので、金融庁も・銀行も、新聞社への利益供与は論理的に出来ない事です。
ですので、銀行と新聞社の、関係は厳しい監視と、規制が為されるのです。
新聞社が、金融庁からの、天下りを受け入れていないか、監視・調査の必要があります。
一見金融庁と新聞社は所管が違うようですが、確かに銀行は新聞社に金を貸しています。
ですので金融庁は、新聞社と利害関係が発生しています。
ですので金融庁から新聞社への天下りは禁止です。
アイスランドではジャーナリズム天国構想があり国会議員の多くの賛同が得られているそうです。
ジャーナリズムがあまりなく、結果金融の暴走を許してしまい国家破綻したとの反省から、新しい小国としての国家産業構想だそうです。
日本ではクロスメディア規正法が、閣議決定。あとは成立を待つのみです。また銀行が新聞社への便宜供与を行うことを禁止する事も必要です。
プランタン銀座の売却ですかね。読売は。
読売など世界から見てもお下劣で、また読売など日本国民に基盤があるわけではありません。
相手にされない読売。
まだまだ、このような読売の悪行は、世界に知られていませんので、どんどん世界に知られるといいと思います。
読売の心無さ。
しかし心無き者は、記事も書けない、経営も出来ない、失敗するしかない、信用も無い。
どうして、こんな事しか出来ないの。
ナベツネはドンと言うのではなく、がんと言うのです。がんナベツネにより組織が悲惨な結果となる。
がんと言えば、否定されるだけ、切除・排除されるだけ、それだけの存在です。
ギネス記録取り消しで、読売が最悪新聞である事が、世界に知られます。この様な裁判、拡張団の犯罪・組織、押し紙、ナベツネ、負債、財務状況非公開。
日本でも否定される読売。
世界でももちろん、とんでもない新聞社の存在が知られます。
やってらんねー、付き合いたくない、読売に対して。それが内部・外部の本音。
内部はボーナス半減、これからも給与減少で士気も激減。
外部は損失を蒙るので、読売は危ないという気持ち。
読売は嫌われ新聞です。それは読者・広告主へも。
読売は駄目ですね。
負債額・押し紙(偽装部数)、経営情報を明らかにする必要があります。
それが出来ないのはおかしい。
破綻もありえますし、関係者は損害を蒙る事になります。
押し紙、拡張団の犯罪、こんな訴訟、これらの読売の経営情報は、当然銀行等も把握する必要があります。
そして対応を銀行は図る。犯罪や不法行為を行う企業は、銀行は破綻懸念を持ち、それなりの対処をします。
お下劣新聞・駄目新聞読売。
ですので、押し紙、拡張団、こんな訴訟。
ボーナス半減だそうですが、読売の負債はいったい。いくらあるのでしょうか。
恐ろしい。
もちろん銀行が便宜を図る事は出来ません。銀行は預金者・他の貸し出し者・従業員・利害関係者・株主
金融庁の監視・監督もあります。
銀行がこんなとんでもない新聞社に便宜を図る事は、本来出来ないのです。
駄目人間・駄目新聞は、いつまで経っても駄目のまま。
読売って駄目ですね。
ナベツネが経営戦略で一番間違ったのは、未来への投資として販売店に新聞社の利益を流し込み続けてきたことだろう。店主の中には怠け者や詐欺師が大量に混じっているのだから、粛清の嵐で対応していれば良かったのに。新聞用紙代を何十億円か値上げしたら新聞社が破綻するといわれる状況で、1人の店主の偽装で被害額数億円ってあまりにも異常すぎる。
読売新聞グループで日テレの株式の2割は持っています。
日テレは粉飾決算もありましたし、ナベツネ日テレ株名義貸し問題もありました。典型的な新聞社による支配関係がある、読売-日テレ関係。
まずは読売の実態把握から、はじめてみるのが一番簡単。
読売は、東京本社・大阪本社・西部本社とも財務諸表を公開していません。
一番恐ろしいのは負債がいくらあるかです。
読売は日本テレビとも資本関係があるわけですから、原口財務大臣・総務省は読売の財務状況をつかむ必要があります。
もちろん亀井金融大臣・金融庁も、銀行と関係するわけですから、読売の財務状況を把握する必要があります(金融庁は知っているでしょうから、亀井金融大臣への報告が必要です)。
でありますので、地域の新聞社などはともかくとして、全国紙の新聞社へ、銀行が、債権放棄等の利益供与を禁止・規制する法案を是非、金融庁・総務省の協力にて成立されるよう、宜しく御願い致します。
ところで原口大臣、新聞社の負債を銀行が面倒をみることを、禁止・規制することを、金融庁・総務省の協力にて、法案化されると宜しいかと存じます。新聞社は経済・社会的に独立した存在である必要があります。しかし銀行が新聞社の債権放棄などを行ったりする事は、銀行による新聞社への便宜供与であり(銀行にとっては損害である)、また逆に新聞社が銀行等に便宜供与をする事につながり、経済・社会への損害が発生します。
原口大臣の、提案されている、新聞社の出資等によるテレビ局支配禁止法案。
民主主義の発展にとって貴重な法案と思います。実現まで、是非応援いたします。
原口総務大臣、ここでも所を換えて御挨拶申し上げます。
御連絡致しましたとおりですが、ここでも読者に、提言を紹介致します。
墓穴掘る企業ですね。
読売は企業存続を止めたいのでしょうかね。
悪行で、存続を自ら止めたい企業など、読売の頭はおかしいですね。
ナベツネはあと何年かしか生きることはありませんから。
じいさん独裁の不幸ですね。これから人生長い社員・記者の事を考えた験しはないようです。
なんで現実を良くしないのでしょうかね。
記者・社員も最低ですね。
謝罪広告を出す命令が下ると、読売は自らの悪行を自らの新聞で、宣伝することとなります。
読売は当然、謝罪広告を自らの新聞にて掲載させられるでしょう。
新聞自体の信用失墜行為を読売は行っています。
この裁判で、読売が謝罪広告を掲載する事も、是非黒藪さん側にチャレンジして頂きたいです。
しかも、著作権裁判でも読売は高裁でも負け、最高裁でも却下です。
また名誉毀損裁判では、地裁判決で去年10月には読売が負け、高裁ではもう結審、判決は4月27日東京高裁511号法廷で13時15分からです。
著作権裁判・名誉毀損裁判共、最高裁までスピード判決・決定で、読売の大敗北です。
この記事の訴訟が本丸訴訟ですが、読売はその為に自ら外堀・内堀を埋めるのですから、相当な馬鹿ですね。
もちろんこの訴訟で読売の更なる信用失墜が確実となります。
この訴訟(本丸)に先立ち読売は、名誉毀損訴訟と著作権訴訟で負けています。
この2つの不当訴訟を読売が起こし、負けた事で、事実認定が確定されました。
読売は自ら外堀・内堀とも埋めてしまったのです。
この記事の訴訟が、黒藪さんと読売の最終決戦です。読売の本丸攻略です。
ジャーナリストに対する嫌がらせを、読売新聞社とういうジャーナリストであるべき企業が続けた行為が断罪されます。これまでの経緯で事実認定は簡単ですので、裁判では読売の大敗北となるのは確実です。
もちろんそれは、新聞の歴史に残る程の、読売の大きな汚点となり、記録されます。
読売は援軍もいません。そして兵糧も尽きています。
その惨状は、残紙(押し紙)・広告収入大幅減、そして大赤字に現れています。
これが読売の現実・身の程です。
そしてこの記事にあるとおりのお下劣な行為・信用失墜行為。
読売は終わりです。
この記事のとおり、黒藪さんとの訴訟でも、読売は自ら外堀・内堀を埋めてしまい(読売の敗訴は4連続です)、ついに黒藪さんによる本丸攻撃まではじまりました。
読売にこれから出来る事は、自らの墓穴を掘る事だけです。
新聞の広告収入は、2005年から2009年の4年間だけでも35パーセントの減、2010年までの5年間では50パーセント減は確実です。しかもこれは押し紙で広告詐欺をやっての数字ですから。読売はボーナス半減でも駄目です。
読売も給料半減が妥当でしょう。
読売も、押し紙の偽装追及を含めた更なる広告減、購読者の減少は確実だからです。読売等は減収が確実なのです。
全国的に見て、ほとんどシェアがない地方が多い読売。
北海道では、「検証北海道の教育」などという、道内で普遍的でもない、一部分を取り上げ、指導力不足などと、読売は北海道にいちゃもんを付けています。このように読売は全国的に見ても相手にされない地域ばかりですが、それでいちゃもんを付けています。
教育されるべきは、「読売」です。
また凶悪性犯罪まで多発させている読売のセールス指導部の指導力は?
速報。
電通の発表によると、
2009年の総広告費は5兆円台で、約12パーセントの減。新聞は更に酷く約19パーセント減で6000億円台に低落。ネットは7000億円台でネットが上回りました。
新聞は2010年の落ち込みも酷いでしょうね。4000億円台になる可能性大です。2010年は。
こうした中で読売のお下劣行為。まあ世間的に言っても、お下劣スパイラルと言えるでしょう。ゴミな人たち。
黒藪さん側の訴訟としては、これが本丸です。攻めているのが黒藪さん。読売の外堀・内堀は、もう勝手に読売自ら埋めてしまいましたから。
そもそも1985年に新聞販売店の大淘汰時代がやがて訪れることは広く言われていたのに、地道な努力を積み重ねることもなく部数の操作でごまかし続けてきたから、チラシの枚数が減ったとたんに店の収支が赤字に転落ということになっただけ。3925円で読者に売らずに古紙回収業者に二束三文で売ってきた販売店側の問題。
世帯数の増加という追い風があるから読売新聞社の与えたノルマは20年で実質マイナス20%、その数字を維持することが出来ないダメな販売店に架空部数が発生している。黒薮氏たちはその詐欺の責任を新聞社に押し付けようとしているが、それなら一番根幹となる裁判は詐欺店主改廃の是非で、そこでは読売側は勝ってるでしょ。
偽装を隠して、反論する者に対して、次々と圧力をかけて闇に葬ろうとする考えは、いずれは信を失うことになるのは明らかである。偽装を続ける限り未来はありえないだろう。今回の訴訟は蟻の一穴となるだろう。読売は必死になればなるほど、蟻地獄に嵌ってしまうと思う。
新聞社は世間常識があるはずと思っていたが、私の幻想であった。 只権力機構(検察・警察)の広報誌でもあり反共、右翼勢力の広報誌など兼ねて国民を騙しながらどうするんでしょう?新聞信用できません。
この裁判は絶対に勝ってもらいたいと思います。もっと賛同してくれる弁護士いると思いますので呼びかけて多数の弁護団を結成し、大きな社会問題とし世論にも訴えかけましょう。偽りの仮面を被った偽善者、企業・読売を弾圧しましょう。
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