青木氏、参院選出馬せず 後継候補に長男の名
自民党の青木幹雄前参院議員会長は15日、体調不良を理由に夏の参院選への出馬を断念する意向を固めた。今期限りで政界引退するとみられる。党内外ににらみをきかせてきた「参院のドン」が身を引くことで、参院自民党の存在感や影響力は低下する可能性が大きい。同党の中堅・若手議員には世代交代の加速を期待する声もある。
青木氏には軽い脳梗塞(こうそく)の症状があるという。谷垣禎一総裁は記者団に「今後もお力が必要と思っていた」と述べた。後継候補には青木氏の長男で秘書の一彦氏の名が挙がっている。
青木氏は秘書として仕えた竹下登元首相の人脈などを引き継いだ。与党時代は野党にも広がる有力議員とのパイプを武器に、所属派閥のみならず参院自民党全体を率いた。小沢氏と親密な時期もあり、「政局を仕掛けられる数少ない議員」との見方があった。
若手の間には75歳の青木氏に「病気は残念だが、世代交代を進めないといけない」(柴山昌彦衆院議員)との声が出ている。「派閥政治終焉(しゅうえん)の象徴的出来事」とも受け止められている。