今月24日の発売されるiPhoneの新型機種『iPhone 4』。一方で、Androidも、モトローラの『ドロイド』、ソニーエリクソンの『エクスペリア』、韓国サムスン電子の『GALAXY S』など、Android対応の機種も徐々に増え、攻勢を強めています。そこで、こちらでは、米Lifehacker編集長による、iPhoneとAndroidとの徹底比較をご紹介しましょう。

比較の観点としては、まずパワーユーザを想定し、開放性やユーザ制御・カスタマイズ性にポイントを置きました。また、使いやすさやデザイン、ハードウェアの品質についても分析。以下のとおり、20項目で比較評価を行っています。ちなみに、Googleサービス愛好家という評価者のバイアスが、Androidに有利に働いている部分はあるかもしれませんが、ご承知おきを。

 さて、比較結果の一覧表がこちらです。それぞれの項目において、ロゴマークが入っている方が「勝ち」、ロゴが両方入っているものは「引き分け」です。

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1. 使いやすさ: iPhone

使いやすさの観点では、iPhoneに軍配。手に取れば、何がどうなっているのか? をカンタンに理解することができる。デバイスにはメインボタンが1つだけ付いていて、すべてのことはアイコンのタップで操作できる。一方、Androidはデバイスに複数のボタンが付いていて、様々な機能を実行できる仕組み。

2. 開放性: Android

AndroidのOSはオープンソースなので「アプリケーションがデバイスを作る」という、開放型のアプローチを実現できる。デバイスの開放性は、エンドユーザにとって重要なポイントだろう。

3. バッテリー寿命: iPhone

アップル社では、iPhoneの開発において、バッテリー寿命に特に真剣に取り組んでいる。Android端末は、機種ごとにバッテリー寿命にバラつきがあるが、iPhoneのバッテリーは、Androidに比べて長持ちする。特にiPhoneの新機種は、この特徴が顕著。

4. マルチタスク: 引き分け

iPhoneもついに、iOS4においてマルチタスクをサポートしはじめた。Androidが実現しているような、本格的なマルチタスク機能とはいえないが、バッテリー寿命を改善しながら、これを実現したという面では十分だろう。

5. ソフトウェアキーボード: iPhone

iPhone/Androidの両方を使っているユーザによると、おおむね、iPhoneのソフトウェアキーボードのほうが、Androidのデフォルトのキーボードよりもよい、という見方で一致している。Androidでよりよいソフトウェアキーボードを使うには、カスタムキーボードをインストールという方法がある。

6. 検索機能: 引き分け

iPhone OS 4では「Spotlight」が導入され、連絡先・メディア・メール・アプリケーション・メモ帳・カレンダーなどが検索できる。Androidでは、メール以外はほとんど検索できるが、さらに自動サジェスト機能付きのウェブ検索が導入され、他のアプリにも接続できる仕組み。より多くのアプリがこの機能をサポートすれば、ユニバーサル検索をもっとやりやすくなるだろう。

7. 通知システム: Android

ユーザフレンドリーなiPhoneだが、通知システムでは非ユーザフレンドリー。通知は1通しか表示できず、次の通知が表れると前の通知が消えてしまう。一方、Androidでは、プルダウンウィンドウの通知トレイで、これらを見ることができる。

8. 音声からテキストへの変換: Android

Androidの、音声からテキストへの変換機能はよくできている。音声によってメールを返信したり、長いテキストメッセージを、歩きながら送信することも可能だ。一方iOSでは、第三者ベンダーのアプリ以外、まだこの機能をサポートしていない。

9. 同期: Android

iPhoneは、スタンドアローンデバイスになりうる一方、同期においては旧態依然。PCにつなぎ、iTunesに接続して、同期を行う仕組みだ。Android端末は、Googleアカウントを使って同期できるので、もし旧デバイスを紛失しても、新デバイスからGoogleアカウントにログインするだけで旧デバイスの状態から使い始めることができる。

10. Google以外の同期: iPhone

Androidは、Googleサーバーとのシームレス同期が素晴らしいが、Outlookやアドレス帳、iTunesといった、他のデータソースとの同期にはあまり配慮していない。これらのデータソースのヘビーユーザにとっては、iPhoneのほうが便利。

11. テザリング: Android

プロバイダーによって異なるが、現在のところ、Androidのテザリング環境のほうが、AT&TがiPhoneに提供しているものよりもよい。たとえば、PCにiPhoneのデータ接続をテザリングするだけで、米AT&Tでは月20米ドルを請求している。また、AT&TのiPhone向けサービスは、2GBの制限を設けているのに対し、Androidのほとんどのキャリアは、無制限プランになっている。また、Androidは、最大8台まで同時接続が可能なのも利点。

12. リリース/更新の一貫性: iPhone

アップル社では、1年に1回新機種をリリースし、主要な更新を年1回行っている。更新時は、全ての機種が同時に更新を受けられる仕組みだ。一方、Androidは異なるデバイスがたくさんあるので、Googleが更新を行っても、各ユーザにいつ届くのかよくわからない。Googleでは、将来的には、iPhone方式と同様、年1回の更新に変える予定とのことだが、ユーザによっては、しばらくこの状態が続きそうだ。

13. アプリケーション: 引き分け

アップルのApp StoreはAndroid Marketに比べて、4倍ものアプリケーションを有しているので、この比較はナンセンスと思う人も多いかもしれないが、iPhoneにもAndroidにも、人気の便利なアプリケーションが多く開発されてきた。非常に人気のアプリケーションが、App Storeから締め出されることもありうるし、マストなアプリがAndroid Market、App Storeの双方から、突然消えるというもありうる。なので、両者引き分け。

14. ウェブ閲覧: 引き分け

iPhoneのモバイルSafariは、非常によくできていて使いやすい。一方Androidのブラウザは、Safariほどスムーズではないが、Flashをサポートしている。どの観点を重視するかは人によるが、まずは引き分けとしたい。

15. ゲーム: iPhone

Android Marketにもゲームは増えているが、まだiPhoneほどではない。

16. 音楽プレイヤー: iPhone

インターネットを通じた、デスクトップPCからの音楽ストリーミングなど、Androidでもいろいろ操作できるが、デフォルトの音楽プレイヤーにはまだ不満が多い。ソリッドなアプリのあるiPhoneが、いまのところ優勢。

17. GPSナビゲーション: Android

昨年のGoogle Voiceの失敗後、GoogleはiPhoneのために、新しいアプリケーションを開発する可能性は、かなり低いと思われる。要するに、無料のGPSアプリ『Google Maps Navigation』のような秀逸なアプリを、iPhone用には作らないだろうということ。App Storeにも同様の有償アプリ(もしくは無料)はあるが、『Google Maps Navigation』のほうが優れている。

18. Googleアプリケーションとの統合: Android

GmailやGoogleカレンダーといった、Googleのツールを使っている場合、Androidは便利。iPhoneもカレンダーや連絡先、Gmailの同期はできるが、Google派やGmailのみ使っているユーザでも、Androidのほうがよい。

19. Google Voice: Android

Googleアプリケーションの中でも『Google Voice』は、電話に特化したアプリケーション。iPhoneでも、Google Voiceを承認するオプションはあるが、Androidのほうが魅力的。

20. カスタマイズ性: Android

iOS4では、iPhoneのデスクトップに壁紙を追加することができるが、それ以上のことはできない。Androidのほうが、カスタマイズ性は高い。

これら20項目の評価をスコア化すると、Androidが13点に対して、iPhoneは11点と、僅差でAndroidに軍配が上がりました。もちろん、これ以外の項目でも比較すべきものはありますし、それによってスコアの上下もありうるわけで、大まかにいって「両者ドロー」といったところでしょう。ちなみに、最近の米Lifehackerの読者アンケートでは、66%がAndroid派、30%がiPhone派、4%がどちらでもない派という結果が出ています。

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いかがでしたか?

Android派の方も、iPhone派の方も、それぞれの魅力やお気に入りのポイントを、コメントでどうぞ! もちろん、Windows Mobile派からの参戦もお待ちしています。

Adam Pash(原文/訳:松岡由希子)