Vscanを手にするGEヘルスケア・ジャパンの熊谷氏(写真:山田愼二)
Vscanを手にするGEヘルスケア・ジャパンの熊谷氏(写真:山田愼二)
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 GEヘルスケア・ジャパンが2010年10月に発売した,胸ポケットに入るほど小さい超音波診断装置「Vscan」の売れ行きが好調だという。

 Vscanは,寸法が135mm×73mm×28mmで,重さは390g(プローブと電池を含む)。外観は,二つ折りの携帯電話機に近い。操作部にはキーボードがなく,直感的に操作できるダイヤル・キーを備える(関連記事)。従来の超音波診断装置とは一線を画す製品だ。

 同社 代表取締役社長 兼 CEOの熊谷昭彦氏は,以下のように語る。


熊谷氏 10月に発売して以来,注文が殺到している。ものすごい評判だ。

 特に,在宅開業医に支持されている。高齢者の自宅に訪問し,高齢者と話をする際,「最高のコミュニケーション・ツールになる」という声をいただいている。これまでは聴診器や血圧計しかなかったが,Vscanで腹部の画像を見てもらうことで,話題が広がったり,説得力が高まったりするというわけだ。

 高齢者は自分の体調について正確に語れない。「何となくだるい」で終わってしまい,医師にとっても実のところ良く分からない。しかし,お腹に水がたまっていました,膀胱に尿がたまっていました,といったことがVscanであれば即座に分かる。「これは画期的だ」という声を,多くの在宅開業医の方々を中心にいただいている。

 Vscanの用途は,決して高齢者向けだけではないが,非常に高齢者に向いた製品だ。将来は,超音波診断装置だけでなく,X線CT装置やMRIなどについても,高齢者向けに特化したものが出てくるだろう。