高揚感のあるアンダーワールド節が再び!―若手アーティストとのコラボ曲を含む待望の新作『バーキング』が完成

アンダーワールド   2010/08/24掲載
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高揚感のあるアンダーワールド節が再び!―若手アーティストとのコラボ曲を含む待望の新作『バーキング』が完成
 アンダーワールドがダンス・フロアに帰ってきた。内省的な作風が印象的だった前作『オブリヴィオン・ウィズ・ベルズ』から3年、ドラムンベースやダブステップなど、さまざまなシーンの才能ある若手アーティストとのコラボレーション楽曲を中心とした新作『バーキング』(CD+DVDCDのみ)は、誰もが愛さずにはいられない、あの高揚感あふれるアンダーワールド節が復活を遂げた、文句なしの快作だ。10月には異例ともいえるライヴハウス・ツアーでの来日も決定。カール・ハイドに話を聞いた。



――アルバムを聴いて、まず“アンダーワールドがダンス・フロアに帰ってきた!”と感じました。
 カール・ハイド(以下、同)「その通りだよ、ありがとう」
――その理由は?
 「高揚感のあるポジティヴな音楽に対する情熱を取り戻したんだ。それに、独自のアティテュードや視点を持った若いアーティストと一緒に共作することで、その情熱に火が点いたってわけ。これまでいろんなアーティストに自分たちの曲をリミックスしてもらって刺激を受けてきた中で、曲が完成する前に彼らと何かできないかって思ったんだ」
――先行で配信された「Scribble」は、「You Do Scribble」というタイトルで、2005年ぐらいからライヴでは演奏していたそうですね。それをハイ・コントラストとのコラボでアップデートしたのはなぜですか?
 「ライヴではすでに人気の曲になっていたんだけど、リック(・スミス)には曲として未完成だっていう気持ちがずっとあったみたいで、ドラムンベースのプロデューサーからのフィードバックが欲しいと思っていたんだ。ハイ・コントラストはドラムンベースのプロデューサーの中でも、非常に高揚感のある、気持ちをハッピーにしてくれるような曲を作る人で、彼ならぴったりだと思って頼んでみた。そうしたら彼も自分たちのファンだって言ってくれて。素晴らしいコラボになったと思う」
――「Always Loved A Film」はひさびさのアンセムと呼ぶべき素晴らしい曲だと思います。これはどのように出来上がったのですか?
 「3年前ぐらいに初めてリックから聴かせてもらって、自分でも〈Two Months Off〉や〈Rez〉〈Cowgirl〉みたいなすごい曲になるって手応えを感じてたんだけど、なかなか完成に至らなくてね。実はずっとインストで、リックの提案でいろいろなヴォーカルを試してみて、試行錯誤の末、今の形にたどり着いたんだ。それまでは相当な生みの苦しみがあって、納得のいくものにできない憤りとかもどかしさを味わいながら、ようやく殻を破ることができたんだ」






――近年、デルフィックのようなアンダーワールドからの大きな影響を感じさせるアーティストが登場してきています。彼らのような若いアーティストの活躍が、今回あなた方が再び高揚感のあるダンス・レコードを作った背景にあるとは言えますか?
 「興味深い質問だね。基本的には、(今回ダンス・レコードを作ったのは)前作からの反動だと思うんだ。非常に内省的で、暗い作品だったからね。ただ、周りにいる人から、今のシーンでは“もともとアンダーワールドが内包していた音が鳴ってる”って言われて、自分たちがもともといたところからずいぶん離れてしまったことに気がついたんだ。それで、リックと一緒に音楽を始めた頃、70年代のドイツの音楽に刺激を受けて、高揚感のある曲を作っていた頃に立ち返ってみようと思ったのは確かだね」
――前作から今作へと至る3年間はどんな3年間でしたか?
 「人生の中で、自分たちを負の方向に引っ張るものを切り離して、自分たちが必要とするもの、プラスになることに専念するようにしたんだ。負の方向に引っ張るものって、自分自身の考え方だったりするんだけど、そういうものを少しずつ切り離してきたから、この3年間はすごくポジティヴなものに囲まれた3年間だった。もちろん、時には孤独や悲しみも感じるけど、そういった中でも自分たちをポジティヴに保てるようになってきたから、それが今回のアルバムにも反映されていると思う。ダンス・ミュージックっていうのはリアルに実感できるエネルギーを持っているし、それは時に人を癒す力にもなると思うんだ」
取材・文/金子厚武(2010年6月)



<最新ライヴ音源配信中>

7月17日にロンドンで行なわれた“iTunes Festival”からの音源を収録。

『iTunes Festival: London 2010 - EP』
<アンダーワールド来日公演2010>

【大阪】
10月6日(水)
会場:ZEPP OSAKA
開場&開演:19:00
前売りチケット:6,500円(1ドリンク別)1F:立ち見、2F:指定席

【東京】
10月7日(木)、8日(金)
会場:ZEPP TOKYO
開場&開演:19:00
前売りチケット:6,500円(1ドリンク別)1F:立ち見、2F:指定席

詳細:SMASH[URL] http://smash-jpn.com/

<What's going on in your Head when you're Dancing?>
カール・ハイドによる世界初のソロ・ペインティング・エキシビジョン


期間:8月25日(水)〜9月15日(水)
会場:東京 ラフォーレミュージアム原宿
開場時間:11:00-20:00

“アンダーワールド”のメンバーであり、クリエイティブ集団“tomato”の一員としても活動するカール・ハイドによる世界初のソロ・ペインティング・エキシビジョン。約90点のペインティング作品を展示するほか、創作ノートや制作のプロセスを収めた映像作品などを公開。会期中、会場内にてカール・ハイド自身による公開ペインティングも実施。

詳細:
ビートインク http://www.beatink.com
ラフォーレ http://www.laforet.ne.jp

その他の情報はアンダーワールド・オフィシャル・サイト(http://trafficjpn.com/underworld/)へ。
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