写真1●飾り付けされたカスタマーサービス部門
写真1●飾り付けされたカスタマーサービス部門
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写真2●仮装したカスタマーサービス部門以外の社員
写真2●仮装したカスタマーサービス部門以外の社員
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 半導体・電子部品の通信販売を手がける英国系のアールエスコンポーネンツ(RSコンポーネンツ、横浜市)は2010年10月4~8日、カスタマーサービス部門の労を全社員がねぎらう社内イベント「カスタマー・サービス・ウイーク(CS WEEK)2010」を開催した。兵頭克邦社長は、「カスタマーサービス部門だけでなく全社を挙げて取り組むことが、業務を盛り上げることにつながる」と強調する。

 この週は、他部門の社員がコールセンター業務を学んだり、疑似体験したりできるイベントを開催した。また、コールセンターを中心にデスクを飾り付けたり、コールセンターの部員も含めて希望者が仮装したりして、気分を盛り上げた(写真1、写真2)。

一般の社員がコールセンター業務を実体験

 他部門の社員向けにCS WEEK内で3日間、コールセンター業務を学習できる「COP(カスタマー・オーダー・プロセッシング)に弟子入り!COP講習会」や、コールセンターが受けた電話を生で聞ける「モニタリングdeアンケート」といったイベントを催し、希望者が参加した。他部門の社員に、カスタマーサービス部門の業務を理解してもらうことが狙いだ。

 COP講習会は、社内の一角がその専用スペースとなった。参加者は実際にCOPチームが利用している情報システムを操作しながら、COPチームのオペレータから、受注処理のポイントやシステムの操作方法を学んだ。「どうして複数のシステムに同じ数値を入力するのか」「最初に入力した数値は、別のシステムにどのように引き継ぐのか」といった活発な質問が飛んだ。

 モニタリングdeアンケートは、他部門社員にコールセンターのオペレーターと顧客がどのような会話をしているのか理解してもらうことが目的だ。コールセンターに他部門の社員用の席を設け、希望者が1人当たり30分程度、代わる代わる生の応対の様子を聞いた。実際に会話を聞いた他部門の社員にアンケートも実施し、コールセンターのオペレーターの業務の理解を促す。情報システム部門やマーケティング部門などの社員が参加した。

ランチでオペレーターと交流

 このほか、カスタマーサービス部門と他部門との社員の交流を深めるため「Together Lunch」という昼食会も期間中、毎日開催した。カスタマーサービス部門と、営業やバックオフィスなど他部門の社員が同じ会議室で食事するもので、昼食は各自が持ち寄り、プリンやチーズケーキなどのデザートは、カスタマーサービス部門が用意した。

 また、CS WEEK期間中は社内全体を盛り上げるために、全社員が個々にデスクを飾ったり、仮装をしたりすることも推奨した。仮装用の衣装は、友人から借りたり、インターネットオークションで購入したりして調達したという。

 RSコンポーネンツがCS WEEKを開催するのは2009年に続き2回目だ。昨年も開催した結果、「カスタマーサービス部門の社員だけでなく、全社員に好評だった」(太田結加マーケティングマネージャー)ことから、2年目の開催を決めた。

 CS WEEKは1992年に当時の米国大統領ジョージ・ブッシュの議会宣言によって制定されたもので、欧米ではコールセンターを有する企業の多くがこぞって開催する大行事となっているという。英国に本社を置くRSコンポーネンツグループ内も、他国では日本より早くから開催しており、「数年前から日本でもやらないかと本社から声がかかっていた」と太田マネージャーは説明する。