スカイマーク、茨城空港から撤退
開港半年で国内便ゼロに
新興航空会社のスカイマークは24日、4月に就航したばかりの茨城空港~神戸空港(1日1往復)線を9月に休止すると発表した。「茨城空港は航空自衛隊への配慮が予想以上に必要で安定運航ができない」との理由だが、半年たたないうちの事実上の撤退宣言に、地元や国土交通省からは「あまりに無責任」との声が上がっている。
3月に開港した茨城空港は航空自衛隊・百里基地の中に作った民間共有化空港。スカイマークによると「空自の航空祭の間は運航ダイヤの大幅な変更を、観閲式では運航中止を求められることが判明」し、民間共用スキームが見直されるまで休止を決めたという。
ただ、茨城空港と空自の関係は事前に分かっていたことで「撤退の説明になっていない」(国交省)。3月のテストフライトでは満席だったが、5月の搭乗率は76%まで低下しており「採算性の悪化に素早く対応した」(関係者)との見方が多い。
茨城県の橋本昌知事は「共用空港という制約があるにしても、利用者の便宜を第一に考えて自衛隊やスカイマークに働きかける。運休の取りやめ、一日も早い再開を強く期待している」とのコメントを出した。
スカイマークの撤退で茨城空港の定期便は韓国アシアナ航空のソウル便だけとなる。7月末には中国の格安航空会社(LCC)の春秋航空が週3回程度のチャーター便の就航を計画しているが、開港直後の失速という事態は避けられない。需要見通しを甘く見積もった茨城県、国交省にも批判が集まりそうだ。