もう怖ろしすぎて車に乗れなくなっちゃう...
空港のシステムにトロイの木馬を仕掛けられる恐怖もそうですけど、乗り物とコンピューターの切っても切れない関係を狙われることほど危険な事件はないでしょうね。でも、実際のところは、もう理論的には悪質なハッカーに自動車でつけ狙われる悲劇が現実のものとなってもおかしくはないそうです。
たとえば、このほどサウスカロライナ大学とニュージャージー州立ラトガース大学の共同研究成果として指摘されたのは、すでに米国内で全車に実装が義務づけられているTire Pressure Monitoring System(タイヤ空気圧警報システム)の脆弱性です。わずか数時間で、このシステムの内部へとワイヤレスに侵入し、偽のパンク警報アラームを発動させられることが実証されたほか、各車に固有のIDが割り振られていることから、勝手にハッキングした自動車の現在位置などを常時リアルタイム追跡可能になっちゃったそうですね。
どうやら最初にシステム内へ不正に侵入するまでが困難を極めるものの、いざセキュリティーが破られてしまえば、時速68マイル(約110km)で併走する車からだって自由に攻撃を仕掛けられることもテスト済みですよ。このまま車載コンピューターを乗っ取れば、勝手にワイパーを動かす、いきなりクラクションを鳴らす、急加速させる、ブレーキを利かなくするなどなど、なんとも恐ろしい命令をハッカーが狙った車へ送ることまでできるようになるんだとか。
自動車メーカーが強力なウイルス対策で販売車を武装せざるを得ない時代だって間近にやって来るのかも~
[19th Usenix Security Symposium via ArsTechnica]
Justin Hyde(原文/湯木進悟)