トンネル照明技術の実証実験が行なわれている新東名高速道路・金谷トンネル(仮称、静岡県島田市・掛川市)では、トンネル内に一般的な対称照明エリアと、プロビーム照明(非対称照明)エリアが設けられ、路面と先行車背面の光のあたり方などの比較実験が行なわれていた。
対称照明は進行方向に対して垂直に光を照射、路面は明るく映るが先行車はやや暗く見える。これに対し、プロビーム照明はクルマの進行方向に傾けて照射し、先行車の背面を明るく照らすという効果があるという。
2種類の照射方式で照らされたデモ用のクルマの背面を見ると、その映り方には明暗の差が出ていた。記者自身の影も、進行方向側に傾いている。
「今後は落下物や停止車両を想定し、実際に走ってみて、視認性や走行特性などを複合的に検証していきたい」とNEXCO中日本。
昼間のドライブ中、トンネル入口にさしかかると、急に暗くなることで先行車が見えにくくなる現象が起こる。この光のギャップを和らげるなどの目的から、すでに導入している高速道路もある。
同社は「今後、前へ向ける具体的な角度なども含めて、プロビーム配光の有効性について検証していきたい」と話していた。