最初から大地震を想定した設計なんだとか...
あまりの大揺れの衝撃から、地軸にまで変化を与えて日を短くする「アイススケーター・エフェクト」が発生してしまったチリ大地震でしたが、それほど震源地から遠くはない場所に設置された天文台は、ほぼ無傷で生き残っていることが伝えられましたよ。ちょいと停電したくらいで済んだそうですね。
どうやらチリ北部のアタカマ砂漠に位置する高山地域は、1年365日のうち、実に330日は夜も晴れ渡る絶好の天体観測環境が整うようですが、ナスカプレートと南アメリカプレートとの境界線上に当たるため、地震の多発エリアとしても有名とのことです。そこで、上の写真の欧州南天文台の巨大望遠鏡VLTには、見事な耐震設計が備わっていますよ。例えば、23トンにも上るVLTの鏡面を150ものアクチュエーターが稼動して支えている最新設備は、地震の揺れに応じて柔軟にスイングする構造を採用! 揺れには揺れで破損事故という最悪の事態回避が日々なされているんだそうですね。
こういう最新設計が市内中心部の全家屋にも備わっていれば、もっと人的被害も最小限に抑えられたのかもしれません...
Kat Hannaford(原文/湯木進悟)