セダクティブというキーワード

2010年7月26日(月) 7:29:44

おととい参加した「国際女性ビジネス会議」(くわしくは昨日のブログ)では、「ボクが知らなかったすごい人」をたくさん知ることができ、本当に有益だったのと同時に、「自分がいかに狭い世界で生きているか」がわかりすぎるくらいよくわかった。広告業界が接する範囲はそれなりには広い。その中にいつつ、そこを飛び越えて活動しているつもりだったが、まだ実は全然狭かった。そしてそこに安住してしまっていた。50歳を前にして新しいゴール設定がぼんやり見えてきた。ありがたい。

午後に聴講した分科会で新しい言葉に出会った。

セダクティブ。

いや、正確に言うと数年前から意味は知っていた。でも狭い意味にとっていた。そして実は重要な「時代のキーワード」なのかもしれないと気づかされた。これもおとといの収穫。

Seductive: 魅惑的な、誘惑的な、人をひきつける

派生的に超訳すれば、「一緒に仕事をしたくなる」「まわりに人が集まる」「まわりを巻き込むチカラのある」みたいなことまで広げられるか。

分科会は「セダクティブキャリアのすすめ」という題名だった。ファシリテーターが佐々木かをりさん。パネリストが秋池玲子さん、鎌田由美子さん、藤巻幸夫さん、吉岡徹治さん。

時間が90分しかなかったのが残念だったが、セダクティブ入門編としてはわかりやすかった。仕事のプロフェショナルであるのは当たり前。頼られ任され、やりとげる。セダクティブはそのもうひとつ向こう。人を惹きつけ、人を巻き込み、人の可能性を信じ、人を育てる。

パネルの中で「セダクティブ・パーソン=人が集まる=ハブ・パーソン」みたいな話の展開があった。

以前、ボクはツイッター的なものの普及により「インフルエンサーからソーシャル・ハブへ」みたいな方向に「世の中に影響を与える人」が変わってくる、みたいなことを書いたけど、この「ハブ・パーソン」というのはたぶんかなり近い考え方。
「ハブ」というのは来たるべき「人と人とのつながりがプラットフォームになる時代」(ソーシャルグラフ、オープングラフな時代)のキーワードになるだろう。そしてそのハブ・パーソンに必要なものがセダクティブ。セダクティブだからハブになるのか、ハブ的な人だからセダクティブなのか、ということもあるが、単に情報が通り過ぎるだけの「ハブ」ではいけないというのは腹落ちするところ。

セダクティブな人というのは「生まれながら」ではないと思う。「いま輝いていること」が必要だ。では自分を輝かせるものは何なのか。その辺にポイントがある気がする。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事