同じオフィスで同じデスクに就き、同じ仲間たちに囲まれて仕事をしていると、なんとなくモノトーンで、退屈なアイデアしか出てこないもの。では、クリエイティビティを十二分に発揮させるには、どのような環境が望ましいのでしょう?

生産性向上をテーマとするブログメディア「99%」では、同じ場所、同じ時間帯に同じ問題を考えていると、次第に課題解決が不活発になってきて、なかなかパっとした解決策が生まれづらいと指摘。さらに、旅行や外出と創造性との関係について述べています。

創造性を発揮させるために、長期旅行を活用している極端な例としては、ニューヨークのデザイナーStefan Sagmeisterさんが挙げられます。彼は、7年周期で1年間休みを取り、その間、インドネシアのバリでまったく違った創作活動に取り組み、新たな創造性を刺激しているとか。もちろん、実際彼のように、長期休暇を取るのは現実的には難しいですが、ポイントは、自分とデスクの距離を置くことだそうです。

 英紙「Guardian」の記事でも同様のことが掲載されています。どこに行くかは問わず、外に出ることは効果的な思考に不可欠なものなのだとか。外出や旅行をすると、抱えている課題や問題を「クローズド」に感じることができ、これらの問題に集中して、より具体的な方法で、じっくり考えることができるそうです。また、イマジネーションが働きやすいというメリットもあります。

ヘミングウェイやピカソといった人々の生産性について分析した、別の研究によると、旅行だけでなく、ある期間外国に住むことも、課題解決力やクリエイティブ思考をアップさせるとか。言葉はもちろん、習慣や公共移動機関にいたるまで、異なる環境に身をおくことで、脳が活性化され、より広く可能性を刺激するそうです。

このほか、旅行の孤独感も効果的だそう。オフィスでは誰かしらが周りにいるもの。自宅で仕事をしている人ですら、メールやチャットなどのコミュニケーションでつながっており、完全に孤独でいるのはなかなか難しいですね。メールやFacebook・Twitter・チャットといったものによって注意力が支配され、意識を散漫にしています。むしろ、「Zen Habits」のLeo Babautaさんによると、生産性の高いクリエイティブに、「孤独」は最も有効なものだそうです。

いかがでしたか?

長期の旅行や休暇は多くの人々にとって、現実的な選択肢ではないでしょうが、PCとにらめっこする毎日や、頻繁にメールやソーシャルネットワークをチェックする、インターネットどっぷりの日常から少し離れてみるのはどうでしょう? 自然の中を散歩したり、静かな場所でじっくり本を読んだりするだけでも、自分の創造力を活性化できるかも。また、この夏、思い切って一人旅に出てみるのも一法。異国の地で脳をたっぷり刺激してみると、自分の思わぬ可能性に気づくかもしれませんよ。

The Cure for Creative Blocks? Leave Your Desk. [99% via The Simple Dollar]

Jason Fitzpatrick(原文/訳:松岡由希子)