KDDIとシャープが10月4日に発表したAndroid 2.1搭載スマートフォン「IS03」(関連記事)は、高速CPU(最大動作周波数1GHz)や960×640画面の高精細液晶ディスプレイなど最新スマートフォンとしてのスペックと、「おサイフケータイ」を筆頭とする従来型ケータイでおなじみの各種機能の両方を兼ね備える機種である。

IS03を手にするKDDIの田中孝司専務
IS03を手にするKDDIの田中孝司専務
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 発表会場には、400人超える報道陣、関係者が会場に詰めかけ、スマートフォンに対する関心の高まりが感じられた。KDDIとしては「IS01」に続く2機種目のAndroid搭載スマートフォンであるが、IS01が「2台目需要」を狙った変化球的な機種であったのに対し、今回は「1台目需要」を狙った機種である。「スマートフォンと従来型ケータイの“2台持ち”をしている人が多かったと思う。IS03で目指したのは“1台持ち”だ」(KDDIの代表取締役執行役員専務 田中孝司氏)。

 そして「スマートフォンでは出遅れたとよく言われるが、Androidでこれから反転攻勢に入る」。1機種のために大がかりな発表会を開催し、次期社長(田中専務はこの12月より社長就任の予定)が説明を担当したことからも、KDDIの力の入れようが感じられる。

 IS03はこの2010年11月下旬以降に発売予定である。10月5日より開催のCEATEC JAPAN 2010に展示するほか、東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオでも展示する。

高精細ディスプレイ、Android 2.1

Androidアプリ一覧の画面。左右にページをめくるように移動して閲覧できるようカスタマイズしてある
Androidアプリ一覧の画面。左右にページをめくるように移動して閲覧できるようカスタマイズしてある
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起動中のAndroidアプリ一覧を表示。IS01と同様に、「アプリ終了」の機能を追加している
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 IS03が搭載するAndroidのバージョンは、2.1-update1である。Google製の各種プリインストール・アプリと、au one Marketアプリを搭載する。またFlash Lite 4.0を搭載する。説明資料にはチップセット名称やメモリ容量の記載がないが、説明員によれば搭載チップは最大動作周波数1GHzのQualcomm QSD8650(通称Snapdragon)、RAMは512Mバイト、Flashメモリはユーザー領域500Mバイト。2GバイトのmicroSDカードを同梱する。Android搭載スマートフォンとして第一線級のスペックといえる。

 Android 2.1で加わったマルチタッチ(2本の指を活用するユーザー・インタフェース)やライブ壁紙にも対応する。海外メーカーからAndroid 2.2搭載端末の発表が始まっている中でのAndroid 2.1搭載となるのはやや気になるところだ。「時期はまだ言えないが、Android 2.2へのアップグレードも実施する」(KDDIの田中専務)としている。

 IS03の大きな特徴は、3.5インチ、960×640画素と高精細な液晶ディスプレイ(シャープ製のモバイルASV液晶を使用)を搭載することである。画面サイズと画素数はiPhone4搭載の“Retina”ディスプレイと同等である。実機の表示画面の画質は、短時間のタッチ&トライで見た限りではたいへんコントラストが高く、細部まで鮮明な表示であった。

 先行するIS01では、表示解像度960×480画素のディスプレイを搭載していたが、搭載するAndroid 1.6の対応プロファイルに該当する表示解像度が含まれていなかったため、表示領域の一部を表示用ではなくボタン用に割り当てるという苦肉の策を取っていた。今回発表のIS03が搭載するAndroid 2.1では対応プロファイルに960×640画素のディスプレイが加わっているため、全領域を表示用に使うことができるようになった。

 主ディスプレイの下側には、消費電力が少ない「メモリ液晶」を使ったサブディスプレイを配置している。通常はAndroidの操作に必要なキー(Menu、Home、Back、検索)を表示するが、操作していない時には時計、電池残量、不在着信、歩数計などの表示にも利用する。