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積読・読書途中の本に関する雑感や、オンライン上の面白コンテンツ、そして世の中の不合理に対する暴言を脊髄反射的に記す。
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(柏野 雄太)

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“食品の暫定規制値は多くの専門家やマスメディアが言っているような「1年間摂取し続けた場合の値」ではなくて、「1回のイベントで汚染された食品をその後摂取し続けた場合」の値なのだ。半減期に応じて汚染がどんどん減り続けることが前提なので、継続的な放射性物質の排出があるような場合には当てはまらない。乳児の暫定規制値の100Bq/Kg...

(via 基準値の根拠を追う:放射性ヨウ素の暫定規制値のケース[2011/04/06]:コラム - 持続可能な社会実現に向けた評価研究部門 | 産総研 AIST RISS)

“食品の暫定規制値は多くの専門家やマスメディアが言っているような「1年間摂取し続けた場合の値」ではなくて、「1回のイベントで汚染された食品をその後摂取し続けた場合」の値なのだ。半減期に応じて汚染がどんどん減り続けることが前提なので、継続的な放射性物質の排出があるような場合には当てはまらない。乳児の暫定規制値の100Bq/Kg を1年間飲み続けたら、甲状腺等価線量135mSv/年になってしまう。これは、暫定規制値の計算が前提としている1回きりのイベントで100Bq/Kgになった場合の甲状腺等価線量である3mSv の44倍になる。逆に、1年間摂取し続けて当初通りの割り当て線量の11.1mSv になる飲料水の放射性ヨウ素線量は 12Bq/kg となる。”

なんと、こういうことだったのか。暫定規制値の計算は「一回の汚染のみを考慮し、その汚染が減衰する」という仮定なのか。汚染が継続的に行われている現状のような場合は、オーダーがまったく違ってくる。つまり、許容される基準値はずっと小さくなるのか。

よく考えるとわかるけれど、「暫定規制値」なる数字が独り歩きして「暫定規制値以下なら安全」と考えるのはかなり危険であるということだね。

この産総研の岸本充生さんの記事では、計算過程も省かず記してあるから、是非とも自分の手で計算することをすすめるな。