これが「iPad 2」の(今のところ)全体像!

  • author 福田ミホ
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
これが「iPad 2」の(今のところ)全体像!

情報が次々やってきています。

アップルからの発表には、クマの冬眠のように年間の周期があります。通常iPod9月iPhone6月に発表があり、iPadに関してはおそらく4月にそのタイミングが来るのです。4月はもうそんなに遠くないですね。そんなわけで、そろそろ次のiPadがどうなるか、いろんな噂が聞こえてきています。

・頭脳

初代iPadで登場したA4チップは、iPhone 4やiPod touch、リニューアルされたApple TVにも搭載されていました。A4は、1GHzのARM Cortex A8プロセッサーとPowerVR SGX 535 GPU(iPhone 3GSにも使用)が組み合わされたカスタムSoCです。その後継となるSoC(Engadgetでは「A5」と呼んでますが)も、A4と同じように、新しいiPad、iPhone 5(と、同等のiPod touch)、次のApple TVすべてに搭載されていきそうです。

110120_newipad2.jpg

(画像はアップルのA4、Chipworks/iFixit

A4に代わるアップルの「A5」チップとは、どんなものになるんでしょうか? 情報源によれば、まあそうかなという感じですが、「A5」の心臓部は次世代ARMチップのマルチコアARM Cortex A9になりそうです。これはデュアルコアでは最高1.5GHzになることが確認されています。1GHz動作のデュアルコアCortex A9はNvidiaのTegra 2でも採用されていて、すでに無数のAndroid 3.0タブレットやスマートフォン(モトローラのXoom、Atrix 4GとDroid Bionic)に使われています。サムスンの次世代Galaxyフォンやタブレットなどなどで搭載されるであろうプロセッサー(コードネーム:Orion)や、BlackBerry PlaybookのCPUであるTI OMAP 4430にも使われていますね。

新iPadのパフォーマンスを予測するため、BlackBerry PlayBookがどんな具合か見てみると、1080pの動画を再生しつつ3DアクションFPSゲーム「Quake III」を動かしても、サックサクです。PlayBookに内蔵されたTI OMAP 4430では、デュアルコアの1GHz A9プロセッサーだけでなく、PowerVR SGX540グラフィックスコアも動かしています。AppleInsiderの情報源やiOS 4.3のドライバーバンドルによれば、「A5」はPowerVR SGX543グラフィックスチップを載せていると見られ、しかもデュアルコアになりそうです。つまりグラフィックス処理パワーが現行のiPadやiPhone 4の4倍になります。PlayBookの時点で感動の速さなのに、さらにパワフルなデュアルコアなら相当期待できそうです!

・Retinaディスプレイ

110120_newipad3.jpg

iPadのディスプレイがもっと高解像度になれば、便利ですね。たとえば解像度が2倍になって、2048x1536であれば、ピクセル数は4倍になります。

最初にそんな噂を聞いたときはまさかと思いましたが、MacRumorsが発見したところでは、iPadの解像度が2倍になったときに対応するアイコン画像が、すでにiBooks 1.11.2には含まれているようです。そのアイコン画像は上にあるように、解像度2倍になったiPhone 4用のアイコン画像と同じように名づけられています。(MacRumorsではさらに、iPhone 4の高解像度ディスプレイについてもみんな懐疑的だった事実も指摘しています。)

でも何で解像度「2倍」なんでしょう? MacRumorsいわく、デベロッパーが対応しやすいというのが理由のひとつです。iPhone 4で解像度が従来の480x320から960x640になったときと同様、アプリを高解像度用にリコンパイルしなくても、ピクセルを倍に表示するだけでよいためです。

ただもっと大事なのは、新iPadのスクリーンは260dpiあればRetinaディスプレイになれるのです。「Retinaディスプレイ」というのはアップルのマーケティング用語ですが、その名前の由来は「Retina(網膜)がピクセルを見分けられない」ということです。目から12インチ(30.5cm)くらいしか離さないで見るスクリーンでは、それは300dpi強になり、iPhone 4は326dpiです。でも、DISCOVER誌でライターのフィル・プレイト氏が行った、iPhone 4が本当にRetinaディスプレイかどうかの判定のための計算式を使うと、iPadを18~24インチ(45.7~61.0cm)くらい離して見るなら、260dpiでRetinaディスプレイと呼んでいいことになります。

オマケ:そんなにたくさんのピクセルを動かすには、RAMも潤沢に必要です。なので、RAMももれなく増量されてくることでしょう。

・その他もろもろ

僕らはVerizonのiPhone 4を買ってはいけない、と考えているんですが、その理由は、iPhone 5がおそらくあと4ヵ月でやってくるので、ライフサイクルを半分過ぎたものは買うべきでないと一般に考えているからです。アップルのやり方ならば、次のiPhoneをAT&TとVerizon用に同時にリリースするでしょうし、よっぽどの混乱でもない限り、そのタイミング6月下旬7月上旬になるでしょう。

さらにEngadgetによると、新iPhoneではQualcommのベースバンドチップひとつでCDMA、GSM、UMTSをサポートするだろうとしています。つまりどのキャリアでも、同じモデルを使うということです。そのチップは次のiPad 3Gの中で見られるかもしれません。アップルの年間サイクルの中で、iPadがその年に使われる多くのテクノロジーを登場させるパターンができつつある感じですね。

110120_newipad4.jpg

iPhone 5については、あれこれやの事情を考えると、完全デザイン変更も大いにありでしょう。でも新iPadはおそらくもっと保守的なオーバーホール(サイズは同じ、ただ当然もっと薄くてかっこいい)になりそうです。ただしオリジナルiPadにはない要素として、SDカードスロットデュアルカメラが付きそうです。FaceTimeが使えるようになるのは、もはや当然のことですね。

また、パフォーマンス改善のために、アップルはこれまでバッテリー持続時間を犠牲にして通信速度を取ることはしていません。だからオリジナルiPhoneには3G通信機能がなく、少なくとも次世代のiPhoneでもLTE対応がされないでしょう。なので、バッテリー持続時間は変わらないと思ったほうがよさそうです。

次のiPadの姿には、オリジナルiPadに求めていたことすべてが反映されています。スクリーンの改善、スピード、FaceTime。そして次のiPhoneに関しても、いつものように、iPhone 4が古めかしく思えるような新しいものが詰まっていることでしょう。

matt buchanan(原文/miho)