トレンドマイクロは2011年3月9日、オンラインストレージサービス「SafeSync」の販売を終了すると発表した。同サービスは「年額4980円で容量無制限」を売り文句に、2010年12月14日に開始した(関連記事)。「予想を超える申し込み数があったうえ、1人当たりの利用量も想定を上回った」(トレンドマイクロ広報)ため、わずか3カ月でサービスの販売を終了することになった。

 トレンドマイクロが当初見込んでいた契約数と利用量と実際の数字とのかい離については「公開を差し控えたい」(トレンドマイクロ広報)として、回答しなかった。サービスの既存ユーザーは1年間の契約が切れるまでは「容量無制限」のサービスを利用できる。ただし、契約終了後は更新できない。

 SafeSyncの既存サービスは3月9日11時に販売を終了したが、3月15日13時から内容を改定したサービスの販売を開始する。新サービスは、フォルダ単位のバックアップなど機能は既存サービスと同等だが、保存容量に上限が付く。上限容量20Gバイトのサービスが年額4480円、50Gバイトが8980円、100Gバイトが1万4800円となる。

 サービス内容を後退させることになってしまったトレンドマイクロだが、クラウドストレージ事業から撤退する意向はないという。「サービスの販売を終了する原因は、想定以上の申し込みと利用があったから。市場としてはポテンシャルが大きいと実感した。事業としては今後も力を入れていく」(トレンドマイクロ広報)としている。