社会に貢献する「フリーエージェント」の台頭 (1/2)
ソーシャルメディアを駆使し、NPOの「外」で活躍するプレーヤーたち
米国NPOのIT活用を長らく支援しているベス・カンター氏は、著書「The Networked Nonprofit」の中で、社会変革における「フリーエージェント」の重要性について語っています。「フリーエージェント」は耳慣れない言葉ですが、端的に定義すると、1.ITリテラシーが高く、2.NPOの「外」で、3.共感する仲間たちと社会的課題の解決に向けて行動している人々、ということができるでしょう。
米国の有力ウェブメディアMashableは、2010年に社会変革の分野で活躍したプレーヤーとして「フリーエージェントたち」を筆頭に挙げています。米国では既に、NPOの「外」で活躍するフリーエージェントは、社会変革の重要なプレーヤーとして位置づけられています。
フリーエージェントたちの取組み
「社会変革のためのSNS」Jumoの創設者、クリス・ヒューズ氏は、「フリーエージェント」の一人と言えるでしょう。彼はマーク・ザッカーバーグとともにフェイスブックを立ち上げ、さらにはオバマ選挙のソーシャルメディア戦略を一手に担ったという人物です。
フェイスブック、オバマ選挙の後、彼が取った行動はJumoの立ち上げでした。社会問題の解決に特化したSNSであるJumoは、NPOにとって価値ある広報、資金調達、ネットワーキングツールとして機能しています。クリス・ヒューズ氏自身は、特定の非営利組織に所属しているわけではありませんが、自身が築いてきた能力を用いて社会を変えようと志しているのです。
社会に貢献するフリーエージェントたちは数多く、ここでは全てを紹介し切れないほどです。
毎年数十万ドルの寄付を集める、ツイッターで繋がる全世界同時チャリティイベント「Twestival」主催者のアマンダ・ローズ氏や、毎日$10を寄付し、寄付先のNPOをブログで紹介するという取組み「Living Philanthropic」のカーロ・ガルシア氏、ホームレスとなった方々を取材し、彼らのストーリーをYouTubeで紹介する「Invisible People」のマーク・ホーヴァス氏などが、フリーエージェントの代表例でしょう。