第6回 肛門腺絞りのコツ


肛門腺とは?:肛門の左右には臭腺が一対あります。この臭腺は袋になっていて、その中に悪臭のある分泌物が入っています。臭腺から続く管が肛門括約筋の左右につながって開いているので肛門を左右から押してやると脂状の貯留物が排泄されます。この脂状の貯留物が肛門腺や肛門膿などと呼ばれているものです。イタチやスカンクなどがくさいおならをしますがそれと同じ物で犬,猫では退化しています。

目的:大型犬の中には、自分で便をする時に肛門腺を一緒に排泄することが出来る子もいますが、小型犬や中型犬など現在の犬は、肛門腺を絞り出して排泄する力を持っていないので、ヒトが絞り出してあげなければいけません。肛門腺を絞らずに放っておくと化膿したり炎症をおこしたり、ひどい時には破裂してしまうこともあるので充分に絞り出してあげる必要があります。 

肛門腺を絞る目安:だいたい1ヶ月に1回は絞り出してあげるのが良いと思います。ワンちゃんによっては、肛門腺がたまりやすい子もいるし、あまりたまらない子もいます。ワンちゃんがお尻を床にひきずったり、お尻を気にして舐めているいる時は、肛門腺がたまっている合図です。すぐに絞り出してあげましょう!  

方法  1) 尾を片方の手で持ち上げて肛門を時計の文字盤に例えて、ちょ
        うど4時と8時にあたる所をもう片方の手にティッシュペーパーやトイ               
        レットペーパーなどを間に挟んで、指で押さえます。
            


     2) 押さえた所を下から上に押し上げるような感じで絞り出すと、肛門から
        悪臭のある膿みたいな物がでてきます。
            

     3) ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどで肛門腺をきれいにふき
        取ってあげます。

     *臭いが強いので衣服等につかないように注意して下さい。シャンプーの前に
      絞り出してあげると、そのまま洗い流してしまう事が出来るのでティッシュ
      ペーパーなど使わなくても良いし、臭いも残らないので一番良いと思います。          
      

※最初はコツなどわからなくて、上手に絞れないかもしれませんが、何度もやっているう ちにだんだん覚えていきます。覚えてしまえば誰にでも出来るものなのであきらめずに トライしましょう!ウェルッシュコーギー・ペンブロークや大型犬、ポッチャリした子は、特に絞りにくいので、うまくいかなければ獣医師、トリマー、VTにやり方を直接教えてもらうと良いですね!中には肛門腺がとても固くて絞り出せない子もいます。そんなときも獣医さんに聞いてみて下さい!!

注意)なかには肛門腺絞りに慣れていなくて嫌がって咬みにきたりする子もいるかもしれませんので充分に気を付けて接してあげましょう!


トリマー  望月 千恵




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