EU、航空会社支援へ 欠航損害補助を加盟国に認める
【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は19日、アイスランドでの噴火に伴う火山灰の影響で航空便が欠航し、経営が悪化している欧州航空各社を支援する検討に入った。加盟国政府による各社への損害補助を認める。
EUは同日、空港閉鎖問題で加盟27カ国の運輸相による緊急電話会議を開く。会議に先立ちアルムニア欧州委員(競争政策担当)は同日、航空各社向けの支援について「2001年9月11日の米同時テロ後に適用したのと同様の枠組みを検討する用意がある」と述べた。EUは各加盟国政府による企業向け支援の是非を執行機関である欧州委員会が判断する仕組み。
同日記者会見したカラス欧州委員(運輸担当)も来週にも航空各社に損失状況の報告を求める方針を示した。加盟国ごとに具体的な損害補償の検討が進むとみられる。カラス委員は欧州域内の航空便の全面再開の時期について、科学者の見解を待って慎重に判断すべきだとの考えを示した。
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アイスランドの火山灰の広がりを受け欧州の主要空港は19日も閉鎖し混乱が続いた。英国は15日に導入した飛行禁止措置を20日午前1時(日本時間同日午前9時)まで延長。フランスのパリやドイツの主要空港も少なくとも同日午前まで閉鎖を継続する。
一方オーストリアは19日、ウィーンの国際空港を再開したが、イタリアはいったん開いた北部の空港を2時間後に再び閉鎖。20日午前まで閉鎖が続く見込み。