<阪神13-1横浜>◇31日◇甲子園

 30日ぶりに戻った甲子園で、首位阪神が猛打で横浜を粉砕した。2回、クレイグ・ブラゼル内野手(30)が先制の39号ソロ本塁打。6回には金本知憲内野手(42)の14号ソロ、新井貴浩内野手(33)の17号2ランで6点を奪うなど今季最多の22安打。29日ヤクルト戦に続く2試合連続の20安打以上と打線が爆発し、2位巨人とのゲーム差は1となった。

 慣れ親しんだ浜風と、久々の再会だ。時には憎らしくもある風との勝負。高々と舞った打球は右翼席に着弾し、軍配はブラゼルに上がった。真っ黄色に染まったスタンドが楽しそうに躍った。打つ。とにかく打つ。虎は白くても強かった。

 ブラゼル

 最高の気分だ。鳥谷が先に打ったのが風でアウト(右飛)になったから、自分のもアウトだと思った。よく届いてくれた。

 2回だ。先頭で、カウント1-1から、横浜清水の内角低めに外れるカーブをすくい上げた。右翼から左翼へ吹く浜風に完勝し、2戦連発となる39号先制ソロ。「先制点は投手にとっても大きいからね」。打線に爆発の合図を送ると、怪力助っ人はもう止まらない。2点リードの3回は右前適時打。5点リードの4回には5者連続安打となる中前適時打。3打席連続打点を挙げた6月29日中日戦(甲子園)以来、今季3度目の4安打と大暴れした。

 8月26日に愛息トロット君が1歳の誕生日を迎えた。東京から戻った前日8月30日の休養日、神戸市内の自宅でお祝いパーティーを開催した。初めてのプレゼント、運転できる車のおもちゃは米国アラバマ州の自宅に保管。その代わり、大木通訳からカタカナで「トロット」と彫られたはんこを贈られた。「トロットが部屋中にペタペタとはんこを押してしまってね…」。照れ笑いするパパの表情には幸せがにじみ出る。

 阪神では86年バース(47本)以来、24年ぶりのシーズン40発に王手をかけた助っ人に導かれ、チームは先発の野手全員が安打を放ち、今季最多の1試合22安打で13得点。セ・リーグでは初となる2試合連続の20安打以上で、2試合の合計42も球団最多となった。ロード明けの大勝に、真弓監督は「甲子園に戻って、みんな、落ち着いて、地に足をつけた試合ができた。これから甲子園の試合が多くなる。これからタイガースの試合ができる」。打線の好不調の波が大きく、12勝13敗と苦しんだ8月が終わり、いよいよ勝負の9月に突入。早ければ3日に優勝マジック22が点灯する。【佐井陽介】

 [2010年9月1日9時19分

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