[仰天!東京電力がプルトニウムの計測を行っていなかったことが判明!]
22日深夜の東京電力の会見で、東京電力は福島原発震災後から今日に至るまで福島原発周辺でのプルトニウムの計測作業を行ってこなかったことが判明した。東電側は、独自に計測する能力がないため他の機関に計測を依頼することを検討する、などとしている。
東電は福島原発から漏れ出した放射性物質の拡散シミュレーションを作成しながらも公開していないということが明らかになったばかりで、大きな批判を浴びている最中であるが、またしても俄かには信じがたいニュースである。
福島第一原発3号機は毒性の非常に強いプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使用している。爆発後の無残な姿から、使用済み燃料棒や原子炉からプルトニウムが流出しているのではないかとの懸念が広まる中、東京電力はプルトニウムの計測を行わずに放置してきたのだという。あまりにも信じがたい内容であるために、ネット上では、「実際には東電は計測を行っているものの、公表をするとまずいことになるのでデータを隠しているのではないか」という見方もあがっている。
いずれにせよ、東電の隠蔽体質・ずさんな危機管理に対して、今後ますます批判が高まることは必至であろう。私もどうして3号機のプルトニウムに関する報道がないのだろうとずっと訝っていたが、これには正直驚かされた。
*続報(3月23日11時更新):ストロンチウム90についても東電は計測していない模様である。(参照記事リンク)
[安全だと言う前に、リスクも国民に説明せよ]
「安全だ」「ただちに影響はない」「大丈夫」などという言葉のみが実証的なデータを伴わずに政府やマスコミから喧伝され、そのことでかえって人々の不安を増幅しているのが現状であろう。どこまでが安全で、どこからが安全ではないかがわかりやすく説明されないからだ。「ただちに影響がない」と言うときに、では長期的にはどのような影響が出るのか、ということも同時に提示されなければならないはずだ。
また、「基準値を越えた放射線が検出された」と報道されると同時に「でも安全だ」と言われて、それを真に受ける人はいないだろう。それでは一体何のための基準値であるのかと問い返さずにはいられないはずだ。
さらに、このドサクサに紛れて、基準値そのものをなし崩し的に緩和するようなことが行われている疑いも指摘されている(参照記事リンク)。このようなことが実際に行われているのだとしたら、「安全」に対する信用は一気に崩壊するであろう。このようなことはあってはならない。
マスコミはこの期に及んで自分たちの大口スポンサーである東電および原子力関連産業に対して過度に遠慮した報道を行っている模様であるが、国民の安全を二の次にされてはたまったものではない。
[外資系企業にも東京脱出・本社機能移転の動き]
フランス人をはじめとした外国人の退避の動きは広まっており、先日在日米軍家族の自主的な退避が始まった。こうした動きは外資系企業にも広がり、外国人社員と家族の国外退避や、本社機能を関西に移転する企業も現れている(参照記事リンク)。
こうした外国や外資企業の反応は過敏に過ぎるかも知れないし、そうであることを祈りたいとも思う。しかし、これは彼らの日本政府や東京電力の発表、マスコミの報道に対する信用の度合いを如実に反映していると言えるのではないだろうか。実証的な根拠もなく「安全」を繰り返すのみでは、日本は諸外国から「オオカミ少年」のごとき扱いを受けることになりかねない。
また、これら外国政府や外資企業の自国民や社員の安全を優先する姿勢そのものにも、我々は学ぶところが多いと思う。
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