高校の「情報」の教科書がすごい件

2011年3月 9日(水) 7:29:59

joho_kyokasyo.jpegムスメが学期末試験真っ直中で一夜漬けの日々を送っている。

彼女はリビングで勉強したがるので何やっているのかわかっちゃうのだが、その中で気になることをやっていた。「フォトショの拡張子は…」とか声を出して暗記しているのだ。そして「お父さん、AVIファイルってデータ量が大きいんだっけ?」とか訊いてくる。

なんだなんだ?

そしたら「情報A」とかいう科目と試験があるらしい。ほぉ。そういえばそんなこと言っていたな。ちょい見せてw

教科書を見せてもらって驚いた。
いやぁ、なるほど。いまどきの高校生ってこういうの体系的に教えてもらっているのね。

メディアの概念や記録メディアの変遷から入り、「メディア・リテラシー」とか「ディスクロージャー」とかいうキーワードを習い、「フィッシング」とか「クッキー」とか「アクセスログ」とかがいきなり冒頭で出てくる。この時点でついていけない大人とか普通にいそうだw

ネットの仕組み、検索条件の工夫(AND OR NOT)、メールのCCやBCC、パワーポイントのスライドの作り方まで習う。そういえばムスメも実習でパワポのプレゼン資料を作っていたな。ネットワークの仕組みのところでは「パケット、プロトコル、TCP/IP、FTP」とかの言葉が並ぶ。これ、上司に読ませろw

学習ノートという教科書準拠ノートもあるが、そこに載っている練習問題とか、たとえば「次の32ビットのデータを8ビットずつに区切って10進法に直し、IPアドレスを導き出せ」みたいな感じ。すげえ。htmlも当然あるぞ。「以下のhtmlのタグの穴埋めをしなさい」みたいな練習問題まである。必修科目なのにタグまで!

これ、「ちょっと世の中の動きについていけないかも」とか言ってる方々にうってつけかも。これ一冊通読して覚えれば、IT系の記事ももう怖くない。精読したら偏りとか欠点も見えてくるのかもしれないけど、でも、知らないより知った方がいいことばかり。なるほどねぇ。

こういうのって独学でやっていくものだと普通に考えていたが、もう教科書で教えてもらえる時代なんだなぁ。こういうのを「高校で習った知識」として社会に出てくる若者がいることを、いまの40代50代60代はちゃんと知らないとね。もう「何か特殊なこと」ではない。「誰か得意な人がやること」でもない。教科書に載ってるんだもん。言い訳は通用しない。

どっかで「横澤彪が北野武の秘密の仕事場を訪ねたら、本棚にずらっと高校の教科書が並んでいた」というエピソードを読んだことがあるが、中年以降になると教科書のありがたさって本当によくわかる。人生に必要な知識の大半はあそこに書かれている。山川の「もういちど読む山川日本史」とかが売れているのもそういう理由だろう。

ということで、「情報」の教科書、オススメです。どっかから手に入れて、読むべし。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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