音楽りろんろん | 音楽家のあれやこれや~♪Ver 2!!

音楽りろんろん

どうも。
ブログではお久しぶりです。
とむはっくです。

ツイッターではちょこちょこ書き込みしてるんですがこっちは本当に久々。
で、今回も僕の元にくる『音楽の質問!』的なメールから『音楽理論』についての質問が多いので、その事について。


まず、最初に断っておきたいのが、僕自身も音楽理論については日々勉強中。
というのもクラシック的な和声からジャズ理論まで、そしてポピュラー音楽での理論と『音楽理論』と言っても多種多様な理論があるのです。
そして僕が今まで学んだ”理論”に大してのイメージを一言で言うと『不完全なもの、そして絶対的なものでは無い』』です。
はっきり言って学んでも学んでも”音楽”そのものは”理論”では語り尽くせない魔力を秘めています。
それは”理論”というものがまだまだ不完全で、例えばこんな理論書があったらおもしろい!と個人的に思うのが『楽器の倍音特性を考慮しての音楽理論』。
でも管弦楽法とかがそこらへんにも繋がるのかな…

とにかく、こんなにも細分化している現代音楽を『理論』で語ること、説明する事は絶対的に無理。
可能だったとしても人間が覚えきれないとても膨大な情報と実験と確率論(?)的なものが必要になってくると思います。
音符一つじゃ楽器そのものの音は表現できないのです。



最近来たメールにこんなメールがありました。
『作曲理論や曲のアレンジを習得するに当たって参考になる本、方法などございましたら教えてください。』
ということで、独断と偏見も混じってますが、今まで僕が読んできた音楽理論書から何冊か紹介させて頂きたいと思います。


1)まず、クラシックだったりそっち方面での『和声』の理論書。
音楽大学でもよく使われている有名な本です。

・和声―理論と実習

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この本はとても有名ですね。
1~3巻まであるのですが、1巻と2巻は問題をこなさず読むだけなら3日くらいで読めるはず。
あとは自分の中に入れていくのに時間がいると思いますが…。
3巻になると結構難しくなり、本の厚さも3倍くらいになります。
とても大事なことが書かれています。
1巻の基本的なとこでは連続8度・5度、並達8度・5度は禁止などなど色々記述してありますが、現代音楽に通用しないところもいっぱいありまして…
しかし”基本”を学ぶ上ではとても参考になる本です。
初めて音楽理論を学ぶ人にとっては難しいと思います。
そういう方は最初に『ポピュラー音楽理論』的なものを読んでやさしいところから始めた方がいいかもしれません。


2)次に上の和声―理論と実習を読んだ後などに読むとおもしろい本。

・編曲の本

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この本は現在、現場でバリバリ仕事をしている音楽家達に『この理論についてはどう思うか?』『現場でこういう状況になったらどうするか?』『こういう時はどう対処するか?』などなど、インタビュー形式にもなっていて、それがとても勉強になります。
理論書というよりも仕事本的な感じ。
厚くてお値段も結構高いですが、すごくためになります。
またこの本を読む時にはある程度の理論を習得していた方がいいです。
言っている意味がわからないことについて語られてもなんの肥やしにもならないので…


3)次は個人的にはクラシック的な和声論とは全く反対の『ジャズ理論』

・ジャズスタディ 渡辺貞夫

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著名人の渡辺貞夫さんの理論書。完全なるジャズ理論。
ちょっと説明不足的なものもあるのですが、結構有名な本です。
僕はこの本を読む時には、どっちかっていうとポピュラーな音楽理論を既に習得していて、ジャズ理論、特にモード理論もそこそこ勉強していたような気がします。
この”モード理論”ってのが結構おもしろくて(というかものすごく大事)この理論に関しては大体の理論書に載っているはず。
もちろんこのジャズスタディにも載っています。

ジャズ理論ってぶっちゃけていうとほんと”なんでもしていいよ!””理論なんて後づけでもいいくらいだよー”って言ってる様にも感じて、結構自由なんです。
だから個人的には上にあげた『和声』的なものとは全く逆の理論という風に思っています。
(共通する部分も多々あるのですが。)
その中でも決まりがあって”こうすると、こういう風な響きになるんだ”という分析がされています。
ジャズ理論は本当におもしろい!自分で拡張もできたりできる理論でもあるので、研究しがいもあるのです。


4)またジャズ理論方面からもう一冊。

・バークリー スモール&ミディアムアンサンブルのための モダンジャズヴォイシング


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『モード理論』といえば印象的なのが海外の有名音楽学校『バークリー』です。
ここから出ている音楽理論はジャズミュージシャン達は必ず一度は勉強するのではないでしょうか。
そのバークリー的な理論を実践的にわかりやすくした本がこれ。
内容はとてもわかりやすい部類に入るのではないでしょうか。
モーダルインターチェンジだって現代音楽にも通用しますし(というか多用もするし、クラシックにもこの考えはありますが…)、ジャズ理論って本当に現代のPopsだったり”歌モノ”と言われるものに直結するおもしろみがあります。



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と、ここまで4冊程紹介しました。
が、僕の家にはこの他にも理論書が100冊以上あります。
これはごく一部なんです。
(音楽の歴史的なものも数冊くらいあります。)

個人的に理論がとても好きなので…勉強したい病(?)なんですね。
その中で一番の理論を学ぶに当たって得られる大事なものって『正しい反骨精神』を学べる事だと、個人的に思っています。
ただ何も知らないで『音楽に理論なんてかんけーねー!』『理論なんてぶっ壊しちまえ!』などと言うのは誰でも出来る。
でも、これまで人間が積み上げてきた集大成となる情報をまとめたもの、それが音楽理論なんですね。
それを自分なりに理解した上で『そうか、今まではこうしてきたんだ。こういう音楽の作り方もリスペクトだな。今度は”自分だけのサウンド”を追求して行くぜ!』となりますよね。
そこで、初めて本当の意味での『新しいサウンド』の追求ってできるんじゃないかなぁと思っています。
ですので音楽理論を学ぶ事は『未来を学ぶこと』でもあって、とてもおもしろいし興味深いんですね。




何回も言いますが『音楽理論は絶対的なものでは無い』です。
例えば某アニメの曲でGoGoなんとかという楽曲がありますが、あれなんかは完全なる音楽理論クソくらえ楽曲で(笑)もちろん理論にのっとった部分もあるのですが、エンディングのVoラインなんかハモリが一定で、メインはクロマチックで展開。完全にぶつかってますね。
そしてGtはスケール内でのリフ、5度の部分でのハモリはロック的だし、べースラインはランニングでロック調。
オルガンなんか連続8・5度の連続。
和声もへったくれも無い。

その他にも世に出ている数々の名曲達を聴けば、説明要らずでわかりますよね。
理論でできていようが、理論ぶっ壊していようが良い音楽ってのはあって、どっちもどっちで素敵なんです。
だからアタマ固くなりすぎるのも良く無い。

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と、ものすんごい長いブログになってしまいましたが、今日は仕事用HDが危機を迎え(大汗)今HDコピーをしているので仕事できない時間。
その間にブログを更新してしまったら…こんなにも長く書いてしまいました。
もう少しでHDは完全復活。
お仕事再開です。

なんだか偉そうにダラダラと書いてしまいましたが、僕自身も日々勉強中です。
自分が納得できる曲なんて死ぬまでに本当に作れるかどうかなんてわからないです。
毎日精進してですね。

長々と失礼致しました。
それでわまた。