ライフサイズ、40万円を切るHDビデオ会議システム-Skypeとも連携可能

フルHDの新シリーズ「LifeSize 220シリーズ」3製品も発表

 ライフサイズ・コミュニケーションズ株式会社(ライフサイズ)は10月19日、40万円を切る価格のHDビデオ会議システム「LifeSize Passport」を発表した。低価格ながら、720p(1280×720ドット)/30fpsのHD品質によるビデオ会議を実現できる。また同時に、1920×1080ドットのフルHDに対応した新シリーズ「LifeSize 220シリーズ」3製品も発表した。いずれも2009年第4四半期(10~12月)中に発売する予定。

LifeSize Passportの下位機「LifeSize Passport with Focus」LifeSize 220シリーズのうち、最上位機の「LifeSize 220 Room」

 LifeSize Passportは、ローエンドの小型HDビデオ会議システム。マイク付き固定焦点カメラが付属する下位モデル「LifeSize Passport with Focus」では39万8000円(税別)、パン・チルト・ズーム機能付きカメラ、小型マイクが付属する「同 with PTZ」でも49万8000円(税別)という低価格ながら、720p/30fpsのHD品質でビデオ会議を行える。また、200×120×30mm(W×D×H)のコンパクトさ、ケーブルと電源アダプタを含めて1.2kgの軽量さも特徴で、容易な持ち運びを実現。米LifeSizeのCEO兼共同創業者、クレッグ・マロイ氏は「あらゆるHDビデオ会議製品と比べ、サイズ、重さ、価格すべてにおいて1/3に抑えられている」とその価値を強調する。

 また、小型ながら、ライフサイズが培ってきた技術を継承しており、あらゆる通信帯域で他社システムと比べて、約2倍の高画質画像を提供可能。1Mbpsの帯域でHDビデオ通話を利用できる。さらに、Skypeとの連携をサポートし、プレゼンス(在席)情報の確認や、コンタクトリストとボタン式発信機能を用いた、容易な発信が可能になっているとのこと。なお、エントリー製品のため多地点接続(MCU)機能は内蔵せず、単独では1拠点とのみ同時通話可能。PCとのデータ共有も、受信のみ対応する。

米LifeSizeのCEO兼共同創業者、クレッグ・マロイ氏は、ビデオ会議経由で米国から記者発表に参加したLifeSize Passportの特徴Skypeとの連携にも対応する

 一方、フルHDに対応したLifeSize 220シリーズでは、上位機、中位機、下位機の各製品ラインで新製品が発表された。最上位機となる「LifeSize Room 220」では、デュアルストリーム対応やフルHD対応といった従来機「同 Room 200」の特徴はそのままに、最大帯域を6Mbpsから8Mbpsに、MCU機能を最大6拠点から8拠点に拡張。中位機「LifeSize Team 220」、下位機「同 Express 220」では、1080p/30fpsと720p/60fpsを新たにサポートしている。価格は、LifeSize Room 220が280万円(税別)、同 Team 220が200万円(税別)、同 Express 220が99万8000円(税別)。

日立ハイテク ITソリューション営業本部の日置範行本部長

 ライフサイズでは、こうした製品ラインの拡張、強化によって、既存領域でのビジネスを促進するとともに、カバーする市場範囲をさらに拡大したい考え。特に、低価格のLifeSize Passportによって、中小企業市場の取り込みを狙うとのことで、国内販売総代理店の株式会社日立ハイテクノロジーズ(以下、日立ハイテク) ITソリューション営業本部の日置範行本部長も、「購入いただけるユーザー層の広がりが期待できる」とコメント。さらに、中・大規模の企業で、投資額の問題で一部にしかHDビデオ会議を導入できなかったところでも、安価なLifeSize Passportを組み合わせれば、同じコストで全拠点を網羅可能になるメリットが存在するとし、ビジネスの広がりに期待を表明した。日立ハイテクでは、HDビデオ会議市場でのシェアを、これらの製品の投入で15%から20%まで引き上げたいとしている。




(石井 一志)

2009/10/19 14:00