2010年に当選した参議院議員121人の資産公開が発表されましたが、私は不名誉(?)にも1位になってしまいました。



私は政治家になってから「おかしい」と思った事をブログやツイッターを通じて発信してきましたが、今回もおかしいと感じたのでコメントさせて頂きます。



政治の世界には無意味な、形だけのプロセスが異常なほど多く残っています。今回の資産公開にも「抜け道」が幾らでもあり、無意味な作業になってしまっていることの一つと言えます。



例えば、定期預金は公開の対象ですが、普通預金や当座預金は対象となっていません。



つまり、定期預金に2億円積んであったとしても、今回の公開基準日となった2010年7月26日の前日に解約して1、2日だけ普通預金にシフトしてしまえば、預金は0円として発表できるのです。



また、所有株式の金額やファンドなども簿価(購入価格)で公開します。リーマンショック直前に高い値段で購入していて、現在は1/4になっていても、高い値段で発表しなくてはいけません。逆に、何十年も前に購入した株が1千万円から1億円になっていたとしても、1千万円として公表するのです。



会社を上場させた経験のある私からすると、あまりにも適当な会計基準で、意味のないことをやっているという印象がぬぐえません。何百年も前に、一部の富裕層の為に株式市場が出来たとしたら、こんな感じになるのではないでしょうか。



本来、国会議員は財務省や金融庁を通じて、企業や個人に不正がないよう徹底する立場にあります。その為には基準を明確にし、公平なルールを作らなくてはいけません。しかし、政治家自身がこんないい加減な内容で資産公開をしているとしたら、恥ずかしくて、厳しく取り締まる事など出来ないはずです。



このような抜け道は政治家が「不都合な事」を隠ぺいしやすくする為にあるとしか思えません。グレーな部分があるからこそ、小沢さんのような問題がいつまでたっても無くならず、明確に白黒つけて解決することも出来なくなってしまうのでしょう。



何故、政治家はいつも他人に厳しく、自分たちには甘くなってしまうのでしょうか。公務員の給与は減らそうとしても、自分たちの給与は全く減らす気がないのと同じ問題が根底にあるような気がしてしまいます。(もちろん、自らの給与を減らそうという法案を出しているみんなの党は違いますが!)



小さな事だと思われるかもしれませんが、このような事もしっかり変えて行くことによって、国民に信頼される政治を目指していかなくてはいけないと思っています。