取次営業orz

取次の営業とは何か

納期という概念

2011-02-13 | Weblog
「注文品が遅い!」というクレームは浴びる程受けてきましたし、私も「遅い」と思うところがあるわけですが、実は「遅く」はありません。

そもそも、納期を設定していないからです。

極端な話、注文した日から1年を経過して商品が到着したとしても、納期を定めていないわけDEATHから、「遅い」ということはないわけです。
しかし、これではビジネスになりません。納期は明確であるべきであり、且つ早いに越したことはないのです。

また、同じ理由で、いくら頑張っても「早く」ないのです。結果、自分で出荷、または配達するといった、取次営業の物流スタッフ化、運送会社化が常態化してゆきます。

では何故、出版流通は21世紀に至っても納期を定めることができないのでしょうか?理由を考えてみましょう。

理由1.出版から取次への納期がバラバラ
「中2日で取次搬入」「1週間程度で取次搬入」「10日以内に取次搬入」「集荷便のある曜日が取次搬入日」「地方支店への搬入」等々・・・。
これでは、書店着日を定めることができません。

理由2.版元ごと、商品ごとに仕分けサイクルがバラバラ
詳しく書けませんが、同じ日に取次に搬入になった商品でも、版元ごとに仕分けのスケジュールが異なる事があります。搬入形態によっても、スピードに差が出ます。

理由3.書店ごとに出荷サイクルがバラバラ
同じ日に取次に搬入した同じ商品でも、書店への着日はバラバラです。結論だけ言えば、大型書店ほど早く商品が届く仕組みになっています。
以前、「売上規模に応じて物流のサービスレベルに差があるのは当然だ」というような意味のことを書きましたが、現行のやり方はよくありませんね。
販売規模に応じた差別は、荷造運賃を以ってなされるべきです。売上が大きい書店は配送料が安くなり、売上が小さい書店はそれが高くなるといった具合DEATH。
翻って、物流スピードに格差を付ける方法は、チャンスロスを発生させることになり、取次にとっても結果的にマイナスです。これは致命的な間違いでしょう。

さて、それでは一体どうしたらよいでしょうか。

私はこのように考えています。
「注文品の納期は、取次搬入日からn日以内」

"n日"は"常識"の範囲内の数字が入ります。("5営業日"くらいでしょうか)
問題は"取次搬入日"DEATH。
これを統一することは夢物語で、現実性がありません。取次が頑張って何とかなる問題でもありませんし。
取次がやるべきことは、版元からいつ商品が搬入になったのかを明白にすることです。
これを実現するには、設備投資もシステム投資も必要になるでしょうが、やるべきだし、やらなければいけないと思います。
これができないがために、営業もそうですが、むしろ物流スタッフが不当に苦しんでいるのではないか、という感じがしています。("感じ"です)


はてさて、いかがでしょうか?

書店「そんなもんで許すわけねーだろ!」

キビシー!!(財津風に)

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
反論など (money)
2014-09-05 19:21:02
失礼ですが、本の納期は普通と言うなら、異業種の商品の納期が同じくらいかかる場合、遅いと言ってはいけません。
手順がたくさんあるから?
それは異業種だって同じです。
そういうのを上手くやりくりしてくださって、直進距離で300km以上離れたメーカー流通倉庫からでも最速当日出荷と着、を行っていただいております。
本の業界はそれぐらいの努力はできないのでしょうか。というか、早めるようにシステムを改善できないのでしょうか。
電子書籍普及で紙の本離れと言われますが、そういう事があるから紙の本が売れなくなるのです。
それに、電子書籍だと良心的な出版社はアップロード無償対応してくれるところもあるようです。紙だとよほどのことがない限り訂正版への交換は応じてくれ無いと思います。

とにかく、流通システムを変えないと、電子書籍の普及がさらに進むと思いますね。