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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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音楽が今できること。
(このエントリーは最新ではないですが、自分が今一番強く感じていることです。少しでも目を通してくれると嬉しいです。最新のエントリーはこのエントリーのすぐ下に。)


<被災している人、被災者の身を案じている人、支援をしている人全ての人に今でなくともこれから先へのために贈りたい、ジョン・ラターのレクイエム。(Youtube再生リスト)>
(詳細は以下に)


いつも通りの検索キーワードで訪れて下さってる皆様、本当にありがとうございます。
オーストラリアにいながらまだまだ自分の中にまだ焦って切羽詰まってるいる気持ち、まだなにかしたい気持ち、いろいろ自分の中で渦巻いているのでTwitterのほうもこのブログもまだもちょっと通常と違う運営?モードが続くと思います。
でもいつもの感じで来てくれてる人がいることもありますしなるべく早く普通に戻りたい気持ちはあるので少しだけ時間をいただきたいと思います。


ここ数日、震災が起きてから人の心のことをたくさん考えていました。
直接の知り合いに被災している人よりも被災している人の事を案じている人の方が多いので、「案じる側」の人を心配に感じることがちょっと多いかな・・・

でも一番考えてたのは今、そしてこれからの人の心に音楽ができることがないか、ということ。
やはり自分の心に音楽が大切であること、音楽が一般的に人の心を動かす力があること、そして音楽と心の繋がりが自分の道の「コア」であることからこの方面で自分に考えられること、できることがないかと強く思い、考えをめぐらせていました。

それでやっぱり自分にできること、自分がしたいこと、といったら音楽を贈ることがまずあると思ったので今回はそのことについて書き、そして実際にこういうときだからこそ贈りたい曲を紹介したいと思います。
(贈りたい対象は後にも書きますが被災している人、そして被災者の皆さんを案じている人達両方です)
まずちょっとだけ諸分野に素人ながらに説明を・・・

なぜ今音楽なのか。
この災害が起こってから実にたくさんの情報が飛び交っています。
視覚的な情報だけでなくテレビ、ラジオなどからひっきりなしに被害の状況、被災地の状況などが伝えられます。
さらに(今まで分からなかったのですが)サイレンなども鳴りますし、災害が正に起こっている音(地震で物が揺れたり崩れたりする音)もあります。
こういった聴覚情報は「危険」を示す物が多く、そういった情報が常に入ってくると(内容だけではなくその性質から)人は疲れてしまいます。
さらにPTSDの症状として「感覚過敏」がある、ということもありまして・・・
そういった事から入ってくる聴覚情報(そして他の感覚情報)から耳を休めるため、そして入ってくる情報のストレスを打ち消そうとするためにも音楽は有効だと思います。

そして被災生活を送ったり、息を詰めて状況の動向をうかがっている周りの人も知らず知らずに緊張とストレスから息が短く、浅くなってはいないか?と思い。
自分では気づきにくく、腹式呼吸をと努めても意識的に自然な深い息をすることは案外難しいものですが、このブログで書いたことがあるように音楽は人の生理反応に影響があり、呼吸のペースを変えることがあるのです。

さらに停電などで夜行動が限られている場合、夜以外でも「待つ」しかない場合に長く感じる、不安に感じる(それが夜で沈黙を伴うものなら余計に)時間と空間を満たし、不安を和らげ暇つぶしにもなるという意味でも音楽は効果的だと思います。

そして災害後の長期的な影響において人々の心にサポートが必要な時、音楽は有効なサポートとなると思います。
ここは専門的なことになってあまり詳しくは勉強していないのですが・・・
少なくとも現実・過去・そして未来を現実的に強く見据えるようになるプロセスにおいて、新神話主義の本の言うところの「崩壊と再構成」の再構成、「円に見られる完全性(wholeness)」を取り戻す心のプロセスに関してもそういったエレメントを持つ音楽は良いんじゃないかな、と思います。

でも何よりも現在もこれからも人の心に温かさ、幸せといった感情や感覚をもたらし、人が立ち上がる力を自分の中から得ることに音楽は大切だと思います。


長々と素人談義をすみませんでした。

震災が起きてこういうことを考え始めて一番自分の中で強く訴えてきた曲があります。
それはジョン・ラターのレクイエム
(Youtubeのプレイリストです)
もしも自分が指揮者で、被災者を見舞うコンサートを開くならこの曲しかない、と思います。それは利便性の面もありますがもちろん曲の中身も考えて。
選んだのはGut feeling(勘に近い感覚)が強いですが、前述の理論にもかなっています。
特に長期的な心のケアのくだりについては(もともとレクイエム自体生きている人のためのもので再構成のエレメントがしっかりありますから)特に強いのではないかと。
さらに多分一番必要とされている「Affirmative(肯定的)」な性質が本当に強く。
被災している人にも、見守る・助ける側にも、今ももっと後になってからにでも心の底から薦めたい!という自分の中で最強の曲です。
日本ではイギリス音楽全般知名度が低いので是非広がれば!と願っています。

もう一つ、音源がなかったのですがジョージ・クラムのLux Aeternaもお奨めしたいです。
同じくAffirmativeな感じがあり、クラム独特の癖がありながらもそのタイトル通り闇に「光」を約束する、実に人間的で暖かい曲です。

さらにブラームスの音楽は「慰め」に関しては一流だと思います。
その暖かさ、そして苦しみや後ろ向きな感情もみんな共感してくるんでくれる包容力、そしてしたたかな力強さ。なんて言ったって子守歌のエキスパートでもあります。
ホルン三重奏曲(特に第1楽章)、宗教的歌曲、意外なところでピアノ四重奏曲第2番もお奨め。

私だけかも知れませんがラヴェルの音楽は自分を冷静にしてくれる気がします。
メヌエット系統、ソナチネ、そして「マ・メール・ロワ」や「鏡」の「鐘の谷」などを聴いていると落ち着いて客観的に、冷静に居れる気がします。


壮大な音楽や長い曲、強弱がころころ変わって強弱の幅が大きい曲、テンポが心拍より速い曲、複雑な曲はあまり良くないと思いますが・・・
とにかく呼吸ににあったテンポの曲、楽器にしても声にしても「暖かい」音の曲、リズムよりもメロディー・ハーモニー重視の曲、さらに個人的に「優しい鐘の音」をお勧めしたいです。

これから辛い時期が長く続くと思いますが、心の拠り所の一つとして音楽を選ぶことは本当に力強い支えとなると信じています。
メシアンとかマーラーとか入ってない時点でこのチョイスはこの目的に対して「ガチ」かと分かってくれるかと思いますが、少しでも誰かの参考になればと願っています。

何よりも人の心の平安を願って。

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