米Wall Street Journalは米国時間2011年1月2日、米Googleが新聞や雑誌の電子版をネット販売する「デジタル・ニューススタンド」の事業を計画していると報じた。事情に詳しい関係者の話としてGoogleが米Time Warner傘下のTimeや米Conde Nast Publications、米Hearstなどの出版社と協議していると伝えている。

 同紙によると、この事業計画はGoogleの電子商取引部門担当副社長Stephanie Tilenius氏の指揮のもと進められており、Googleは同社が開発を主導するモバイルOS「Android」を搭載するタブレット端末やスマートフォンなど、さまざまな端末向けに定期刊行物をアプリケーションの形で提供したい考え。

 米Appleがオンラインストア「iTunes Store」を介して販売する有料アプリに対して、販売価格の30%を同社の取り分としているが、Googleの場合はそれよりも低い取り分を出版社に提案している。またGoogleは顧客情報の一部を出版社に提供することも提案しているという。

 一方でAppleがiTunes Storeを改良する計画だと同紙は伝えている。定期購読コンテンツを販売しやすくし、出版社の不満を解消するのが目的で、2011年の早い段階にもこの新たな仕組みを導入する出版社が現れるという。

 新聞や雑誌の電子版をめぐっては、米Amazon.comがKindle向けアプリへの配信を始めているほか、書店大手の米Barnes&Nobleも電子書籍リーダー端末「NOOK」向け定期購読コンテンツの販売を始めている。いち早く出版社の協力を取り付けようと各社の競争は激化しているとWall Street Journalは報じている(関連記事:Amazon、新聞/雑誌の電子版でロイヤルティを70%に引き上げBarnes&Noble、電子書籍リーダーのフルカラータッチスクリーン機種を発表)。