ノキア、米マイクロソフトの携帯電話OSを優先使用
シェア回復狙う
【ロンドン=松崎雄典】携帯電話最大手のノキア(フィンランド)と米ソフトウエア大手マイクロソフト(MS)は11日、携帯電話事業で提携すると発表した。ノキアはMS製のスマートフォン(高機能携帯電話)向け基本ソフト(OS)を優先して使用。開発でも協力する。米アップルや米グーグルのOSを搭載した携帯電話に奪われたシェアを回復する狙い。
ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)は同日「既存OSから開発陣をシフトした」と発言。MSのスティーブ・バルマーCEOは「ウィンドウズ携帯の拡大につながる」とした。
ノキアは自社製品にMSの検索エンジンを利用する一方、MSに地図ソフトや携帯電話のデザイン、言語サポートの技術を提供する。MSはノキアと携帯電話を共同開発するが、排他的な提携ではなく他のメーカーにもOSを提供する。
米ガートナーによるとスマートフォン向けOSの市場ではノキアの「シンビアン」のシェアは37.6%と首位だが、前年比9.3ポイント減。一方のMSの「ウィンドウズフォーン」も4.5ポイント減の4.2%と低迷していた。ノキアは今後、シンビアンへの投資は打ち切るが、生産は継続する。エロップCEOはマイクロソフト出身。