こんなときになんですが、フリーエージェントになります

2011年3月29日(火) 16:07:22

突然ですが、4月1日から、26年間お世話になった電通から独立し、フリー・エージェントになります(ここで言うフリー・エージェントとはこんな意味です。野球のFA的な意味ではありません)。

「個」に戻り、ソーシャルの海を自由かつ等身大に泳ぎ回って、この社会を少しでもよい方向に変革することに自分が持つスキルや意欲を使ってみたい。そう思っています。

ただ、電通とは今後もいっしょにプロジェクトをしていきます。
子会社を作るわけでも出資を受けるわけでもありませんが(そういう意味では完全に「個」です)、今後も知見を共有し、コラボレーションしていきます。

3日前というギリギリのタイミングでお知らせすることになったのは、電通とのコラボ・プロジェクトとしてボクが主宰する「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」の発表(リリース)が、組織人事上、3月中旬にしかできなかった上に、発表の直前に東北関東大震災が起こり、すべてのリリースが凍結されてしまったからです。そのリリースを待って独立を発表するように社から言われていたので、直近でお会いした方々にもほとんど言えず、悶々としていました。今日、ようやくリリース文が電通サイト上に発表されたので、こうして今後のことも含めて、堂々と書けることになりました。

そんな経緯ですので、社内外のお世話になった方々にちゃんとお知らせもご挨拶もできておらず、しかも震災後のボランティア活動に一気に入ってしまってご挨拶状なども書けておらず、3日前にようやくこうして発表できるなど、ドタバタになっています。この文章で独立を初めて知ったお世話になった方々、誠に申し訳ありませんでした。

※「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」は、会社組織ではなく、電通と佐藤個人とのコラボ・プロジェクトです。このまえ「SIPS」を発表した「サトナオ・オープン・ラボ」の進化形になります。


独立は去年の夏くらいから決めていました。

ここ数年、ソーシャルメディアを中心にいろいろと活動を広げていくうちに、リアルとバーチャル、公と私の境目がどんどん曖昧になってきました。そして、ソーシャルメディア上でより活動範囲を広げようとするとき、どうしても組織人でいることの矛盾が出てきてしまいました。

もっと自由に動きたいし、いま動かなければ後悔する! 
そんな想いが膨らみ続けました。電通にいてできることも沢山ありますが(かなり自由にさせてもらっていましたし)、もう腰を据えて「個」に戻り、一から活動を始めよう。そう思ったのでした。

ただ、ボクは電通という会社をかなり愛しているので、相当悩んだのも確かです。でも、こうして外から電通と連携するカタチが整ったので、決心することにしました。

今年で50歳になるのもとても大きな理由です。
あと10年もしたらいずれにしても「個」に戻ります。だったら意欲と体力があるうちに「個」に戻って次のステップに移ろう。そう思いました。

当面、オフィスも持たず、MacBook Air ひとつ持ってノマドでやります。
広告コミュニケーションの枠を越えて、新しいサービス、新しいアプリ、新しいメディアなど、いろいろトライしてみたいと思っています。いろんな会社や日本各地の方々とも面白いことをしたいと思っています。ボクで役立ちそうなことがあったら(かなり自由になりますので)お気軽にお声がけください。


フリーエージェント1年目は「スローダウン & ダウンサイズ & 断捨離」で、じっくりゆっくり自分のペースを作り上げようと考えていましたが、いきなり「助けあいジャパン」みたいな超激動プロジェクトを始めてしまい、一気に寝る間もないほど忙しくなってしまいました。

でも、ちょうど辞めるときにこういうことが起こったのも運命なのかもしれません。当分(カラダに気をつけつつ)、走れるだけ走ろうと思います。

書きたいことはまだたくさんありますが、また折を見て書いていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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