エビフライのしっぽ
2011年2月17日(木) 10:12:57
「あのさぁ、エビフライのしっぽってさぁ、無駄でしょ? 食べないし。でも、エビフライって、しっぽがないとおいしく思えないもんなんだよ。エビフライは『無駄な存在であるしっぽ』があるからおいしいんだよ。」
これはボクの尊敬する先輩が言ってくれた言葉である。
長い映像作品を作っていたとき、サジェスチョンしてくれた。
つまり、エビフライのしっぽのような無駄な場面を入れろよ、と。観てる人がホッと息が継げる、ちょっとだらけたシークエンスを持てよ、と。あまり内容を濃く詰め込むなよ、と。
それ以来、CMを作るにしても、文章を書くにしても、講演でしゃべるにしても、なるべく「エビフライのしっぽ」を入れるように心がけている。濃くしすぎない。隙を作る。ちょっとだけ本筋と関係ない話をする。
で、人間もいっしょなんだよね。
無駄な部分や隙があった方が魅力的になる。
この前、ある人を前に「あぁオレはなんでこの人のことがこんなに苦手なんだろう」とか考えていて、ふと「あ、この人、エビフライのしっぽがないんだ」と気がついた。明るくて優秀で魅力的。でも人生が理にかないすぎていて無駄がなさ過ぎ。
エビフライのしっぽって大切だなぁ。