議員秘書の年収はいくら? 公設秘書・政策担当秘書についても紹介

テレビでよく見かける政治家や議員たちは、秘書たちのバックアップなくては政治活動を行うことができません。

議員の年収についてはよく話題に上りますが、議員秘書の仕事内容や給料についてはあまり知られていません。

そこで今回は、政治家を支える秘書の給料について解説していきます。

議員秘書の平均年収・給料の統計データ

議員秘書には公設秘書と私設秘書の区分があります。

公設秘書は国会議員が3人まで雇える秘書で、給与は公費から支払われます。

一方、私設秘書は政治家が私費で雇う秘書です。

公設秘書は特別職国家公務員、私設秘書は議員の個人事務所の職員であり、給与や福利厚生でちがいがあります。

議員秘書の平均年収・月収・ボーナス

公設秘書の場合

公設秘書は国会議員のみが雇える秘書で、政策担当秘書、第一秘書、第二秘書の3人まで公費で雇うことができます。

給料は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」で定められており、政策担当秘書と第一秘書、第二秘書では適用される給料表が異なります。

■政策担当秘書と第一秘書の給料月額

一級一号 344,300
一級二号 362,200
二級一号 417,400
二級二号 427,400
二級三号 437,400
二級四号 447,400
二級五号 457,500
二級六号 467,500
二級七号 477,500
二級八号 484,200
二級九号 490,900
三級一号 508,700
三級二号 519,600
三級三号 526,800
三級四号 534,000

※令和3年時点

■第二秘書の給料月額

一級一号 269,000
一級二号 273,000
二級一号 307,500
二級二号 314,900
二級三号 322,300
二級四号 329,600
二級五号 337,000
三級一号 364,500
三級二号 372,600
三級三号 380,800
三級四号 389,000
三級五号 394,400

※令和3年時点

適用される級および号給は、議員秘書として働いた在職期間と年齢により、両議院の議長が協議して決定します。

上記給料に加え、住居手当、通勤手当、期末手当および勤勉手当(いわゆるボーナス)も支給されます。

年収の目安は政策担当秘書でおよそ730万円~1,080万円、第一秘書はおよそ700万円~1,070万円、第二秘書はおよそ540万円~800万円といわれています。

参考:国会議員の秘書の給与等に関する法律

ただし、2020年には新型コロナウィルスの影響により、1年間国会議員の給料が2割減額されました。

公設議員秘書の給料は現在のところ大きな変動はないものの、今後景気や世の中の影響を受けて、変動がある可能性があります。

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議員秘書の初任給は?

議員秘書には公設秘書と私設秘書がいます。

公設秘書は税金で給与が支払われ、私設秘書は議員が個人で支払います。

そのため、公設秘書と私設秘書では給料に違いがあり、私設秘書の場合は議員によっても支払われる額に違いがあります。

公設秘書の初任給

多くの場合、初めて公設秘書になる人は「公設第二秘書」として仕事を始めます。

公設秘書の初任給は一級一号給で約26~27万円ほどとなり、この基本給に各種手当があります。

「第一公設秘書」の場合、一級一号給はおよそ34~35万円となっています。

この等級の金額は改正があるため、どの年度に採用されたかによって、初任給には違いがあります。

政策担当秘書の場合は、初任給で月給42万円ほど、年収は通勤手当などの各種手当を含めて750万円程度とされており、経験や勤続年数によっては年収1000万円以上に昇給するケースもあります。

政策担当秘書は、議員秘書として長年勤めていた人や専門的な知識を持つ人が多いため、初任給も高く設定されています。

私設秘書の初任給

私設秘書は、議員が個人で雇用するため、議員によって支払われる額が違います。

最低でも18万円~、一般的には24万円~30万円程度となることが多いようです。

アルバイトやパートもまれにみられますが、時給はおよそ1,000円~1,200円程度で、1か月の給与は数万円から10万円前後となります。

私設秘書の年収は?

私設議員秘書の年収は240万円~400万円程度で、求人は知り合いの紹介で採用されることが多くなっています。

私設議員秘書の人数は決まっておらず、経済力のある議員は多くの秘書を雇っていることもあります。

一方で、経済的に十分でない議員の場合、議員秘書の人数をしぼり、一人の秘書に多くの負担がかかっているケースもみられます。

また、議員の後援会事務所には、議員秘書だけでなく議員の身の回りの仕事の手伝いをしているボランティアや議員インターンなど、無給で手伝いをする人もいます。

こうした人のなかには、議員秘書になる夢を持ち、たとえ無給でも、いつか議員秘書になることができればという気持ちで働いている人もいます。

私設議員秘書は、議員が落選すれば失職するため、安定的な職業ではありません。

しかし、尊敬する議員を支援したいという思いや、地域の活性化に貢献したいという希望を持っている人が、この仕事に就く人が多いようです。

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公設議員秘書と私設議員秘書の年収の違いが大きい

公設議員秘書と私設議員秘書の年収には大きな違いがあります。

公設議員秘書は、税金で給与が支払われる一方、私設議員秘書は、議員が自分の資金で雇用するため、ほかの民間企業の従業員と同じような働き方です。

公設議員秘書の年収は、国家公務員としての給与体系に基づいており、経験年数などによって定められており、福利厚生も受けることができます。

一方、私設議員秘書の年収は議員の経済状況によってまちまちです。

民間企業と同じように、社会保険や年金制度なども議員の負担であるため、福利厚生が充分でない場合もあります。

県議会議員や市議会議員などとの年収の違い

県議会議員の給与は自治体ごとに条例で定められているため、自治体の規模や税収入額によって金額は変わります。

国立国会図書館が調査した「地⽅議会議員の報酬・⼿当等の待遇」によると平均報酬月額は810,183円です。

平均値で県議会議員の年収を試算すると、約1,360万円となります。

県議会議員の秘書を務める場合、国会議員ほど資金が潤沢でもなく、公設秘書制度もないためあまり給与は高くありません。

16万円〜26万円ほどがボリュームゾーンとなり、年収にすれば300万円前後が目安と考えられます。

市議会議員の場合、財源は税金であるため、各市の財政状況によって大きな違いがあります。

月給93万円、年収は約1500万円という政令指定市の市議が存在する一方で、月給18万円、年収は約460万円という市議もいます。

こうした理由もあり、市議会議員で私設の秘書を置く人はほぼおらず、多くの人は政治活動にかかわる事務作業を自分でこなしています。

国会議員秘書で年収1000万円を目指せる?

国会議員秘書が年収1000万円を目指すことは可能ですが、難易度は高いものとなるでしょう。

まず、国会議員の立場にある政治家との強いパイプを持っていることが必要です。

より高い給料が得られる公的秘書になるには、議員の信頼を得られる秘書であることが前提であり、議員の支持者や選挙区の有力者ともコネクションがあることが必要です。

また、議員のサポートだけでなく、政治的なアドバイスや戦略など、高度な業務を行うことが求められるため、政治に関する深い知識や、選挙の経験を持っていることも重要です。

このように年収1000万円を目指すことは簡単ではなく、高いスキルと努力が求められます。

議員秘書の平均年収・給料のまとめ

議員秘書の年収は、公的秘書の場合は公費として税金から支払われ、私的秘書の場合は議員の裁量によって決まります。

公的秘書と私的秘書では、公的秘書の方が年収が高い傾向にあります。

政策担当秘書になると、経験や勤続年数によっては年収1000万円以上になるケースもあります。