人間誰しも、調子の良い日もあれば悪い日もあります。感情が揺れ動き過ぎて、理性的に物事を考えるのが難しいこともあります。些細なことで怒ったり、落ち込んだり、自分が自分じゃないみたいな時もあるものです。何だか今日はおかしいと思うような、そんなひどく調子の悪い日をやり過ごすためには、自分だけのノートを作りましょう

 自分をコントロールできないような調子の悪い時は、逆にそれをいい機会だと考えましょう。自分の行動や、どんなことで救われたのかを逐一観察し、秘密のノートに書き留めるのです。そのノートが、その後の調子の悪い時に役立ちます。

これまでの調子が悪かった時や、何か問題が起こった時をよく思い返してみてください。気分の問題ということが多いのではないでしょうか?

一晩寝たらよくなったとか、好きなものを食べたら全部忘れたなど、他にも自分にしか分からない、気分の上げ方みたいなものがあると思います。仕事のやる気が起きない時は、何か他のことをやってみて、それによってどのように気分が変わったか、効果を観察しましょう。効果が出ないこともあると思いますが、そのうち良い方法に出会うはずです。効果のあった方法は秘密のノートにメモしておき、次回調子が悪くなった時にも試してみましょう

秘密のノートは、紙でもデジタルでも構いませんが、書き方が大事になってきます。「調子が悪い時の治し方」というような書き方では、ちょっとザックリし過ぎです。どんな風に調子が悪かったのか、自分だけに分かる言葉でいいので、詳しく書いておきましょう。この方が、後で読み直した時に分かりやすいです。

例えば「やる気なし、だるい」と書いてあれば、「誰とも会いたくないし、話したくもない」ということかもしれません。それを「やる気なし。気分を上げる気力もなし。胸がムカムカするのに、甘い物が妙に食べたくなる」と詳細に書くと、その当時の自分の症状がより分かりやすいですよね。

ノートに書き留めるのは多少手間ひまがかかりますが、調子が悪くなったら、すぐに対処法が見つかるようになります。調子が悪いと、何とかして気分を変えようという気すら起こらないこともあるでしょう。そこでこのノートを見れば、美味しいものを食べるとか、ふて寝するとか、ゆっくりお風呂に入るとか、上がる曲を聴くとか、ゲームをするとか、好きなドラマを見るとか、何かしら気分を変える方法を試してみようという気になるはずです。

例えそれがうまくいかなかったとしても、「こういう状況ではこの方法は効かなかった」というネタが、ノートにまたひとつ増えます。試行錯誤を繰り返していけば、いつしかこのノートは、どんなことがあっても対処できる、自分だけの処方箋になることでしょう。

すぐに完ぺきなノートはできませんが、調子が悪い日に「『今日は』調子が悪い」と気付けるだけでも、ずいぶんと楽になります。まずはノートを付けるところから始めてみてください。

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)