ONE-UP、新作オンラインRPG「RPG三国志」開発者インタビュー
武将を袋で捕獲する異色三国志の魅力を台湾開発スタッフに聞く


12月6日収録

ONE-UP本社


キャラクターのバストアップには「ブラウザ三国志」と同じイラストレーターが採用されていて、「ブラウザ三国志」ファンにはなじみやすいゲームになっている

 ONE-UP株式会社は、Windows用MMOPRG「RPG三国志」のオープンβテストを1月6日16時からスタートする。

 「RPG三国志」は台湾のデベロッパー、Chinese Gamerが開発した三国志をベースにしたカジュアルな2DMMORPG。武将を捕獲して、仲間として育てながら、三国志の有名な戦いを再現したストーリー仕立てのインスタンスダンジョンを楽しんだり、ほかのプレーヤーと対人戦や攻城戦も楽しむことができる。

 三国志ものには珍しいかわいいSDキャラのゲームだが、その時代の書物をみっちり調べて作ったというだけあり、雰囲気はなかなか本格的。また、街やフィールドにはたくさんのNPCがいるが、宿屋の主人まで含めたほとんどすべてのNPCを捕獲して仲間にする事ができるという、圧倒的な自由度を誇る。移動はすべてワンクリックのオート移動で、戦闘もある程度はオートで行なうことができる気軽さで、ソーシャルゲームのように気軽に遊べる反面、しっかりと戦略が必要になるダンジョン攻略などのやりこみ要素も揃っている。

 今回はこのゲームを開発したChinese GamerのGame Planning Dept. Deputy Section ManagerのHuang Wan chuan氏に直接ゲームの魅力をインタビューする事ができた。合わせてONE-UPの代表取締役社長 椎葉忠志氏からはサービススケジュールや、ローカライズなど日本サイドの話を聞いた。




■ 袋で捕まえた武将がジタバタ暴れるコミカルな演出

Chinese GamerのGame Planning Dept. Deputy Section ManagerのHuang Wan chuan氏
ONE-UPの代表取締役社長、椎葉忠志氏

編: 「RPG三国志」の獲得経緯を教えてください。

椎葉忠志氏: 元々は、Chinese Gamerさんから最新作のご紹介をいただいたんですね。その時に、ほかにChinese Gamerさんのゲームはどんなものがあるのかなと思って見たら、日本でサービスしていないゲームの中に、台湾では「呑食天地2」という名前ですが、「RPG三国志」があったのです。試しにやってみたらすごくいいゲームだったのですね。

 私はもともとGameOnで働いていたことがあるのですが、低スペックでいつでも遊べるゲームが大好きなのです。GameOnの「RED STONE」も低スペックだし、私たちが開発した「ブラウザ三国志」もいつでも遊べるゲームだしというので、すごく私たち好みだったし、純粋にゲームを評価すると非常に良くできているし面白い。だからせっかく新作のご紹介をいただきましたけど、こちらは日本でサービスしないのですか? という話をして、これは本当に日本のマーケットでうまくいくゲーム性だと思うからぜひやりましょうという形でオファーをして始まったのがきっかけです。

 ONE-UPもゲームを作っているので、私たちが作っているものをサービスしませんかという営業もしているわけです。その中で御社のタイトルの中で、日本でやりたいものがあればといつも聞いているのですが、そうしたら最新作があるからと2タイトルくらい紹介していただいて、それが気に入ったとか気に入らないというよりは、Chinese Gamerさんはたくさんのタイトルを持っていて、その中の多くは日本でもサービスされているのですが、意外にもサービスしていないものの中にこれがあって、楽しんでプレイしたのがきっかけですね。

編: どのあたりが気に入ったのですか?

椎葉氏: 私自信が2Dが大好きということもあるのですが、アクション性が高くないMMORPGって2Dで十分だと思うのですね。テンポもいいし。スペックも低いし。ちょうど私たちも三国志をブラウザゲームにして、そちらも劇画風の濃いキャラクターではなくて、カジュアルなライトなSDキャラで作っていて、そういう考え方がかなり似通っていたのです。プレイをしてみると本当に最近のソーシャルアプリっぽいというか、放置しておくと進んだりといった部分がすごく似ていて、今までのMMORPGのように負担を強いらないのですね。なのに達成感もあって、ゲームバランスも良くて飽きずに進められるので、なんとなく続けてしまうというか。そういうところがあったのですね。私たちはちょうど「ブラウザ三国志」をやっているので、これは本当に神様が思し召しになって提供されたのではないかと思ったくらいですね。

編: 遊んだ瞬間「これだ!」と思ったわけですか?

椎葉氏: そうですね。ちょっとこんなゲームがあるから遊んでみろよとうちのスタッフにやらせてみたら、面白い面白いというので、そんなに面白いの? というところから始まりました。三国志題材で可愛い系の三国志があって、これぴったりだねとすごく思いました。

編: 台湾ではもう長くサービスをしているゲームなのですか?

Huang Wan chuan氏: 台湾で2年間運営しています。

編: 日本からのオファーについての感想を聞かせてください。

Huang氏: やはり嬉しかったですね。自分たちが一生懸命開発したゲームですので、椎葉さんが気に入ってくださって光栄です。

仲間にする武将は袋で捕獲。かなり暴れているのだが、戦闘終了後には、ちゃんと仲間になっている

編: テストサーバーで少しプレイさせてもらいました。武将を捕まえて集めるというところが面白いですが、そこがメインのゲームなのですか?

Huang氏: プレーヤーがゲーム内で戦闘する時には、必ず武将を連れていかなくてはいけないので、武将を捕まえるのがすごく重要な内容になっています。非常に多くの武将がいまして、個性もあります。違うスキルを持っていたり、職業を持っています。ですからプレーヤーがプレイの中で多くの武将に接触して、その武将についての理解を深めていくのもすごく楽しいと思います。

編: 今まで同じような三国志もので、武将を説得して仲間にするものは見たことがありますが、袋で捕まえて拉致して仲間にするというのはすごく驚きました。あの形にした理由はなんですか?

Huang氏: やはり面白くしたかったのですね。本当に捕まえるというのはこういうことなんだという直接的な表現の仕方をとりました。

編: 確かにはっきりわかりますね(笑)。

椎葉氏: リアルな三国志じゃないという部分は結構色々なところで徹底してると思うんですね。初めて見ると印象に残るじゃないですか。捕獲と書いてあって、「袋かよ!」という突っ込みを入れたくなる。そんなコミカルな部分は本当に徹底しているなと思います。

編: じたばた暴れてますからね。有名武将もすべてあの形で捕まえることになるのですか?

Huang氏: そうですね。

編: 序盤には無名のNPCしか出てきませんが、有名武将はどういったシーンで出てくるのですか?

Huang氏: 一部の武将は、もともと三国志のストーリーなので、そのストーリーにならなければ出てきません。もう1つはレベルですね。一定のレベルに到達したら有名な武将に出会うチャンスが出てきます。

編: 三国志の物語が出てくるのですか?

Huang氏: そうです。ストーリーとともに発展していくという作りです。

編: 赤壁のような有名な戦いも出てくるのですか?

Huang氏: 歴史上有名な戦いはすべてダンジョンの中に入れています。やはりそういった戦いは三国志の目玉の1つでもあると思いますので、もらさずに全部ダンジョンに入れて楽しめるようになっています。

編: いわばダンジョンがストーリー仕立てになっていて、ダンジョンを攻略することでストーリーを体験できるということですか?

Huang氏: その通りです。クエストは通常1つ1つがミニストーリーになっていて、このクエストをクリアしたらお話しも終わるのですが、ダンジョンの中では歴史上の有名な戦いを再現する作りになっていますので、何回も入って遊ぶことができます。

編: 例えばそのダンジョンで捕まえた武将を連れて、また入ることができるということですか?

Huang氏: ダンジョンの中にいる武将は、すごく特別な武将なので捕まえることはできないのです。外のNPCは全部捕獲できるのですが、ダンジョンの中ではできません。ダンジョンが物語になっていますので、武将が欠けてはいけない存在になっています。だから怪我をさせたり、捕獲したりできないようにしています。

編: ダンジョンはパーティー用ですか?

Huang氏: そうです

編: パーティーは何人まで組めるのですか?

Huang氏: 2人以上で、最大5人まで入場できます。必ず5人でなければ入れないということはありません。

編: 三国志を題材にしたゲームが台湾にはたくさんあると思いますが、このゲームのコンセプトはなんですか?

Huang氏: 通常の三国志を題材にしたゲームですと結構リアルなものが多く、すごく強い武将がたくさん出てきます。それに対して私たちはもっと可愛らしいものを作ろうと思いました。ですからキャラクターや武将をデザインする時には、とにかく可愛らしさを前面にだして、一味違うものを作ろうと思いました。もう1つは、よくある三国志をテーマにしたゲームですと、結構殺し合いのシーンが多いのですね。生々しいシーンが多いのですが、それに対して私たちはリラックスして簡単にプレイできて、楽しめるようなものを作ろうというのが他と一線を画する考え方です。

プレーヤーが最初に使えるスキルは、大きな肉まんを投げつける攻撃

編: 最初に使える肉まんを投げる攻撃も、すごく可愛いですよね

Huang氏: 実は肉まんを犬に向けて投げるというのが、中国の古代からの言い伝えがあるのです。犬を相手に肉まんを投げたら絶対に返ってこない。つまりそれを出したらもう元には戻らないという教訓みたいな話があって、それを絵にしたらこうなるんだよという一種のジョークなんです。

編: だから犬が横にいるのですね。

Huang氏: そういうことです。

椎葉氏: 僕もあの犬が気になってしかたなくて(笑)。この犬はなにかするんじゃないかと思ってたら、いつも何もしてくれないから。そういうことだったのですね。

編: NPCもみんな教訓めいたいいセリフを言いますよね

Huang氏: そこも大いに研究しました。歴史の書物をたくさん読んで、できるだけほかのゲームとは違うしゃべり方をさせようと思ってがんばりました。




■ 選択次第では、闘わずにクリアすることも可能なバトルシステム

キャラクターイラストは、「ブラウザ三国志」のイラストレーターが担当

編: 今回日本でサービスするに当たって、日本向けのローカライズをされていると思いますが、どういったところをポイントにしていますか?

椎葉氏: GameOn時代から、あまりバランスだとか日本向けにこうしてくれという要求はしないんです。ゲームを作るということにすごく尊敬と尊重を持っているので、少しだけしかプレイをしていない私たちが、ゲームのデザインに対して軽々しく意見を言うべきではないと思っているのです。こうしなくちゃだめだというなら、最初から契約しなきゃいいと思うんですね。だから今回も基本的には台湾のバランスそのままです。ただ見た目の部分で、一部のNPCのバストアップのキャラクターとかが日本人に向いてないなと思うところがあったりするので、そういうところは「ブラウザ三国志」のものにさし変わっていたりはします。それくらいですね。

 できるだけ、その中でもテキスト1つでも、今はテキストは直訳が入っていて、修正中なのですが、そういう部分ではわかりやすく。例えば読めない漢字が多かったりするので、それをどう表示するかということも含めて、初めて遊ぶ人にわかりやすくというところは私たち側のローカライズの努力でやっています。ゲームは本当に良くできたゲームなので、向こうのゲームをそのまま持ってきています。せっかくなのでSDキャラで、可愛い三国志という部分は「ブラウザ三国志」と同じなので、私たちの「ブラウザ三国志」の絵をそのまま使ったりとか、まあわかりやすさ+日本人に違和感がないというそういうことだけやっています。

編: お店の人のバストアップイラストは「ブラウザ三国志」から流用してきているのですか?

椎葉氏: そうです。「ブラウザ三国志」からとってきて、少しモンタージュしてるとか。有名な武将はほとんど「ブラウザ三国志」そのままになっています。今はNPCの服装が青いのに、黒かったりするので、そこを直しているところです。

編: その部分は少し共同開発っぽくなっているのですね。

椎葉氏: そうですね。サンプルで出した時にはよかったのですが、色々なキャラクターを入れてみると結構おかしなところがあって、その違和感を調整中です。

編: プレーヤーは三国にわかれるわけですが、三国でキャラクターのステータスなどになにか特徴はあるのですか?

「知恵を絞れば、闘わなくてもダンジョンがクリアできます」とHuang氏

Huang氏: プレーヤーがゲームを始める時に、自分が生まれる場所を選びますがそれは所属国を選ぶというわけではないのです。生まれる出身地を選ぶということです。北方の生まれを選ぶと背が高くなったりとか、そういったように地域性に合わせた設定はしています。ですからその出身地に合わせて、人物の初期ステータスの決め方も多少違います。

編: ストーリーにも差があるのですか?

Huang氏: キャラクターが成長しながら、色々な道にわかれていきます。出身地でも多少は違ってきますが、プレーヤーが選ぶ行動パターンによって成長の方向が大きく変わります。そこによって大きく変わっていきます。例えばプレーヤーがダンジョンに入って、ダンジョンをクリアする方法が2つあるとします。1つは自分で知恵を絞ってクリアする方法、もう1つは強引に攻め込む方法。知恵を取るのか、強引なやり方をとるのかによってキャラクターの成長が変わってきます。

編: 知恵でクリアするというのは、例えばどういった方法があるのですか?

Huang氏: 知恵を使うというのは、例えばNPCと直接対戦するのではなくて、手紙を送ったり迷路に入ってそれでクリアするとかそういう方法です。

編: そういう方法でもダンジョンが最後までクリアできるのですか?

Huang氏: そうです。

編: 三国志のゲームには良くある対人戦や大規模な戦争のような要素はありますか?

Huang氏: 対人戦は3種類あります。1つめは特別な競技場のようなフィールドを作って、そこでプレーヤーがパーティーを組んで相手と対戦し、戦いを重ねてそこでチャンピオンを選ぶというものです。2つめはギルド戦です。ギルド同士の戦いですが、宣戦布告をして戦場に入って相手の領地を奪うような戦闘の仕方をします。この2種類に関しては、三国のどこに所属しているかは関係ありません。三国と関係してくるのは最後の攻城戦です。そこでは魏、呉、蜀の城に攻め込むような戦いをします。

編:攻城戦で勝つと勢力図が変わるのですか?

Huang氏: ワールドマップの中で勢力の色が変わったり、城を占領したギルドの名前が表示されるようになります。

編:占領するとどんなメリットがあるのですか?

Huang氏: 1つめのメリットとしては、お城を落とすとポイントが付きます。そのポイントを使ってショップからアイテムを購入できます。もう1つは攻城戦によって経験値が得られます。他にも2つの城を占領しますと、倉庫が1つ増えるとかいった色々なメリットを加えています。




■ 街やフィールドのNPCは99%捕獲可能

クエストポイントまでの移動はワンクリックのオート移動。戦闘も一部オートでサクサクこなせる

編: 普段の戦闘はオートなのですか?

椎葉氏: 設定がいくつかあります。そこまで複雑にプログラムできるわけではないです。最初はどのスキルを使うとか、このキャラクターはどのスキルを使うとか、完全オートにはならないけれどだいたいのことはオートでいけるというバランスがいいですね。

編: 1度の戦闘に出せる武将は1体だけなのですか?

Huang氏: 1人だけですが、戦闘中に交代させることができます。

編:待機と出撃を入れ替える形ですね。

Huang氏: でもそれでターンが1回消費されるのですね。武将を入れ替えるとそのターンは攻撃できなくなってしまいます。

編: 武将は捕まえた時にはレベル1ですが、プレーヤーのレベルが上がった後もレベル1から育てることになるのですか?

Huang氏: プレーヤーのレベルが上がると、色々なスキルを身につけます。「説得」というスキルを身につけると、捕獲した武将が自分の仲間に入る瞬間からある程度のレベルになるようになります。やはりどんなシチュエーションでもレベル1から鍛えなければならないのでは、プレーヤーがかなり大変になるのでそういう配慮をしています。もう1つ敵を倒す数を貯めておく機能があります。その数字が満タンになると経験値に変えられます。その経験値を捕獲する武将に割り振れば、武将が仲間に入った時からレベルを上げることができます。

編: ストックしたものを経験値として武将に与えられるということですか?

Huang氏: ストックした経験値は特定の武将専用というものではなく、プレーヤーが自由に分配できるようになっています。ですからある武将で貯めた経験値を新しく仲間にした別の武将に与えてその武将のレベルを上げることができます。

編: 対人戦の場合、相手も武将を捕獲することはできるのですか?

Huang氏: それはできません。

編: 対人とダンジョンの武将が捕獲できないとなると、武将はどこで手に入れることになるのですか?

Huang氏: 道でぱっと出会った武将でしたら、全部捕獲できます。

編: 道でいきなり襲ってきたりするのですか?

Huang氏: こちらが攻撃をしない限り、向こうから襲ってくることはありません。例えば宿屋の御主人がいますよね。その人を仲間にしたかったら、自ら攻撃を仕掛けて捕獲します。

編: 宿屋の主人が捕獲できるのですか?

Huang氏: できます。やはりメインとなるクエストの中に武将が多く登場してきますので、クエストをクリアしながら武将を捕獲するというのが普通のやりかたですね。

編: 街にたくさんNPCがいますが、あのNPCはすべて捕獲できるのですか?

Huang氏: 99%は捕獲できます。

椎葉氏: 序盤になんでもいいから捕まえてると結構がっかり武将が多くて。どんな武将を捕まえたか、見せ合うのも面白いですよね。

編: 有名武将に会おうと思ったら、その武将が登場するシチュエーションにいかなければならないということですか? 例えば劉備は物語の中で、居場所を変えていますがどのようにすれば会えるのでしょうか?

Huang氏: 今のご指摘がゲームをデザインする時に1番難しくて苦労したところなのです。私たちが取った方法は、ストーリーの展開に伴ってNPCが出現するようになっています。例えば劉備の場合、ある1つのシチュエーションで劉備からクエストを受けます。そのクエストを受けると、その場所の劉備は消えます。そしてまた次のクエストにいくとそこにも劉備がいて、そこからまた新しいクエストを受けることができて、その劉備はまた消えるというような形です。

編: プレーヤーの進行度によって、武将がどこに出現するかは違ってくるわけですか?

Huang氏: その通りです。

編: そこがどうなるのか気になっていました。例えば董卓や呂布がいる時代と、司馬懿がいる時代では開きがありますし、どのように表現するのかなと。

Huang氏: そこはストーリーの展開に伴って出てくるようになります。例えばプレーヤーがすべてのクエストを受けずに、ストーリーをまったく進めなければ、それぞれ違う時代のNPCが同時に出てくることもあります。ゲームのデザインはメインクエストの進行度に伴って、後期になると後の時代の武将が出てくるとか、そういう時間軸になっています。

編: このゲームは対人要素もありますが、基本的にはそういった三国志のストーリーを楽しむゲームなのですか?

Huang氏: 私たちも開発の段階で三国志の物語に対して深く研究しました。ゲームを作っている時に三国志はもちろんその時代を描いた歴史の書物をたくさんメンバーに読ませました。物語は後漢の時代なのですが、その時代が出ている史記ですとか資治通鑑のような昔の書物をスタッフに読ませて、そこから物語を拾うようにしました。

編: 勉強になりますね。

Huang氏: みんなすごく真面目にやっていました。

編: クエストは大量にありますが、いまでどのくらい入っているのですか?

Huang氏: 900から1,000くらいあります。

椎葉氏: たくさんあるので、テキストの翻訳が大変です(笑)。文庫本1冊分くらいあると言ってました。

編: 今後も増えていくのですか?

Huang氏: 今も増え続けています。




■ 意外に深い戦略性の部分を楽しんで欲しい

「1番の楽しみはやはり武将を捕獲する部分です」とHuang氏

編:コミュニティについてお伺いします。このゲームにも結婚システムがあるのですね。

Huang氏: プレーヤーが協力体制を作っていまして、このゲームの中で一緒に何かをやるということが多いです。その間で、恋人同士になったりもするのです。その恋人たちのために結婚システムを作りました。結婚のプロセスも中国古代からの結婚の流れと同じです。まず愛し合う2人が婚約をします。婚約をすると、どんどん「親密度」というものが上がっていきます、そうすると結婚式を挙げることができるようになります。フレンドたちに招待状を出して、日取りを決めて式を挙げます。そして2人がめでたく夫婦として結ばれるわけですが、その時から夫婦でしか使えないスキルを覚えられるようになります。さらに親密度が上がると、夫婦でしか受けられないクエストが受けられるようになります。

編: こういった結婚システムが台湾のゲームには多いですが、ユーザーのニーズがあるのですか?

Huang氏: 確かに多くのゲームの中に結婚システムが入っています。やはり非常に人気がありまして、現実生活の中で彼女がいないプレーヤーもネットなら結婚できる。そういう楽しみもありますし、やはり結婚すると絆が一層強くなるのでそこもまた面白い部分です。

編: 師弟システムと、結婚システムと義兄弟は、1人のプレーヤーが色々な人とそれぞれ結ぶことができるのですか?

Huang氏: いろいろな対人関係が作れるのですが、例えば同じ人と義兄弟を結んで結婚もするということはできません。結婚は1人で、義兄弟は別のプレーヤーと結んで、師弟関係はまた別のプレーヤーと結ぶという形になります。

編: いろいろなプレーヤーと関係を持つことになるのですね。

Huang氏: 三国志の最初のシーンはやはり劉備と関羽、張飛が桃園で義兄弟の契りを結ぶシーンですから、義兄弟というものがすごく大事だと思ったのです。だからゲームの中に義兄弟のシステムも入れました。

編: 義兄弟は何人まで結べるのですか?

Huang氏: 5人まで結べます。

編: 結ぶと友好度がアップするということですが。

Huang氏: 義兄弟を組んだ状態で、パーティーに自分たちの好きな名前を名前を付けることができます。

編: 義兄弟は、結婚のように特別なスキルやクエストがあったりはしないのですか?

Huang氏: 義兄弟の契りを結ぶことがクエストになっていますが、それをクリアした後は、特別なものは用意していません。

編: 日本のプレーヤーにどういったところを楽しんでもらいたいですか?

Huang氏: 1つはまず1番面白いのが武将を捕獲することなのですね。で、たくさんの武将に出会って、今まで会えなかった三国志の中の人物に知り合って、いろいろ研究して欲しいと思います。もう1つは対人戦であったり、NPCとの対戦だったりするのですが、そこで戦略を使うことが多いのですね。乱戦の中でいかに戦略を考えて相手を落とすか、そういうところもぜひ体験していただきたいと思います。

椎葉氏: ムキになってやるところと、流してやるところのメリハリがすごく良くできていると思うのです。ほとんどオートで「GO」と「BACK」を押していればいいのですが、ところどころクエストでパーティーを組んだ方がいいと書かれているものは、割と真面目にどこから倒した方がいいとかちゃんと話し合いながらやらなくちゃいけなかったりして、本当にメリハリがすごくいいと思うのです。全部を一生懸命やらなくていいのですね。流して遊ぶところと、一生懸命闘って頑張るところのバランスが絶妙です。

編: 日本のサービススケジュールを教えてください。

椎葉氏: 1月6日にオープンβテストを始めて、そのまま正式サービスまで入ってしまおうと思っています。

編: 最後に日本のプレーヤーにメッセージをお願いします。

Huang氏: ぜひ日本のプレーヤーにRPG三国志の熱烈なファンになっていただきたいと願っています。私たちはできるだけ万全なサポートをさせていただきたいと思っておりますので、ゲームの世界を十分に楽しんでぜひ気に行って頂いただきたいと思います。

編: ありがとうございました。


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(2011年 1月 5日)

[Reported by 石井聡]