本・DVD買い取り、低額でも本人確認 警察庁方針
換金狙いの万引き防止
換金目的の万引きを防ごうと、警察庁は16日、書籍やCD、DVDを古書店などが買い取る際、1万円未満の低額でも相手方の氏名や住所などの確認・保管を義務付ける方針を明らかにした。犯人の特定や盗品の確認につなげやすくし、心理的な抑制効果も狙う。古物営業法の施行規則を改正し、来年4月から施行する考え。
17日から来月21日まで一般から意見を募集し、最終決定する。
古物営業法は総額1万円以上の中古品の買い取りに関し、古物業者に免許証などによる相手方の本人確認と氏名や住所、職業、年齢を記載した取引記録の3年間の保管を義務付けている。盗品の持ち込みが多いオートバイと家庭用ゲーム機のソフトは例外として、1万円未満でも確認を義務付けている。警察庁は今回、この例外リストに書籍とCD、DVDを加える方針だ。
警察庁によると、2009年の万引き事件数は全国で計14万9892件で、被害総額は34億9188万円。同年に摘発された容疑者は10万5228人で、14~19歳の少年が27.7%、65歳以上の高齢者が25.7%を占めている。
被害品では、食料品類が全体の最多の37.8%を占める中、書籍は衣料品類や化粧品類に続く5.6%で、CD・DVDなどは2.0%。一方、容疑者の使い道を調べたところ、古物商で換金していた割合が書籍で5.5%、CD・DVDで9.5%に上っていた。
出版社や取次店、書店などでつくる日本出版インフラセンターによると、全国の書店での万引き被害は07年で推計190億円以上。一部の大手古書店などでは既に買い取り時の対応を進め、金額にかかわらず本人確認をしている。
意見募集は電子メールやファクスなどで受け付ける。