米IDCは米国時間2011年2月7日、世界のスマートフォン市場に関する調査結果を発表した。2010年第4四半期のベンダー出荷台数は1億90万台で、前年同期と比べて87.2%増加した。2010年全体の出荷台数は3億260万台となり、前年比74.4%拡大した。
米Googleのモバイルプラットフォーム「Android」は順調に成長し、スマートフォン市場の伸びをけん引している。また、複数のベンダーにとって戦略の要になっており、フィンランドNokiaのモバイルプラットフォーム「Symbian」からシェアを奪いつつある。
第4四半期のベンダー別出荷台数シェアを見ると、Nokiaが28.0%で首位を維持したが、前年同期と比べて10.6ポイント縮小した。2位の米Appleは横ばいの16.1%、3位のカナダResearch In Motion(RIM)は5.4ポイント減の14.5%だった。Android搭載端末の製造を手がける韓国Samsungと台湾HTCは4位と5位につけ、それぞれ9.6%と8.5%のシェアを獲得した。両社合わせたシェアは18.1%で10.3ポイント増加した。
また、当期に登場したNokiaと米Microsoftの最新OSはいずれも好調だった。Nokiaの「Symbian^3」は500万台、Microsoftの「Windows Phone 7」は約150万台出荷した。しかしホリデーシーズンを含む四半期を過ぎた今、両プラットフォームはこの勢いを維持していくことが重要になる。
IDCは、2011年もスマートフォン市場はいっそう拡大するとみている。これまではハイエンド機が市場成長を支えていたが、ベンダーはより安価なミッドレンジ機やローエンド機を大衆向けに提供するようになる。価格を下げたハイエンド機も投入するだろう。このため競争はさらに激化し、ユーザーの選択肢はさらに広がると、IDC携帯電話技術およびトレンド担当上級リサーチアナリストのRamon Llamas氏は予測している。
■2010年第4四半期における世界スマートフォン出荷台数(単位:100万台) -------------------------------------------------------------------- ベンダー 2010年Q4 2009年Q4 増加率 ------------------ ------------------ 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア -------------------------------------------------------------------- Nokia 28.3 28.0% 20.8 38.6% 36.1% Apple 16.2 16.1% 8.7 16.1% 86.2% RIM 14.6 14.5% 10.7 19.9% 36.4% Samsung 9.7 9.6% 1.8 3.3% 438.9% HTC 8.6 8.5% 2.4 4.5% 258.3% その他 23.5 23.3% 9.5 17.6% 147.4% 合計 100.9 100.0% 53.9 100.0% 87.2% -------------------------------------------------------------------- 出典:IDC
[発表資料へ]