感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷹図
5
新進の批評家による来るべきテン年代の文学の展望、というコンセプトで編纂されているが、しかし前田塁寄稿のタイトルから明らかな様に、ゼロ年代の総括が中心(なお前田にとってのゼロ年代の文学とは、伊藤計劃であったそう)。論者もテーマも多岐に渡るため、なかなか全てを把握・総括する事は叶わないが、どうやら文学に限らず批評や演劇、思想や社会学も「複数世界」「他世界解釈」といったキーワードがトレンドだった模様。他にも有名な論者に混じって、二十歳そこそこの院生が鋭い論考を寄せていたり、読み応えのある一冊だった。2011/05/20