2010年12月6日にドコモマーケット(iモード)がオープンしてから、2カ月が経過した。ドコモマーケット(iモード)は、iモード端末向けのアプリや楽曲、電子書籍を集めたオンライン市場である。NTTドコモは、同マーケットの新設に合わせ、ドコモポイントによるコンテンツ購入、個人開発者による各種iアプリ機能の利用制限の緩和など、様々な施策を実施した。ドコモマーケット(iモード)の利用状況や施策の成果などを、同サービスを担当するNTTドコモ コンシューマサービス部 ネットサービス企画担当課長 渡辺英樹氏に聞いた。

(聞き手は大谷晃司=ITpro


ドコモマーケット(iモード)の訪問者数やダウンロード数など、現在の状況を教えてください。

NTTドコモ コンシューマサービス部 ネットサービス企画担当課長 渡辺英樹氏
NTTドコモ 渡辺英樹氏

 ドコモマーケット(iモード)には、「アプリストア」「ミュージックストア」「ブックストア」の3店舗があります。このうち、アプリストアは、当初の登録数が1000でスタートしましたが、わずか2カ月のうちに約2000に達しました。

 アプリストアには、約400万のユニーク・ユーザーが訪れました。来訪者は前月比25%のペースで増えています。まずは順調とみています。

 ダウンロードについては、約100万人がダウンロードしました。来訪者が400万ですから、2割以上がダウンロードしている計算です。ダウンロード数の伸び率は来訪者のそれよりも大きく、前月比55%です。

 全ダウンロードユーザーのうち、約1割が有料アプリを購入しています。有料アプリのダウンロード数の伸びは前月比3倍と顕著です。

柔軟な価格設定などで売り上げ5~10倍のケースも

来訪者とダウンロード数の伸びをどのように分析していますか。

 理由はいろいろ考えられますが、整理すると3点にまとめられそうです。

 第1に、月額課金のアプリに魅力あるものが多いことです。ほかのプラットフォームにはない形態なので(編集部注:インタビュー時点では、アップルの定期購読サービス[関連記事]は未発表)、開発者が力を入れているのでしょう。結果として、アプリストアの売り上げの3分の1が月額課金となっています。

 第2が、メルマガを中心としたユーザーへのアピールです。アプリストアには、毎週金曜日に発行するメルマガ(発行部数100万通=2月上旬時点)に加えて、期間限定の価格設定や、「ドコモポイント」で代金支払いができるという魅力があります。メルマガ自体が魅力的なプッシュメディアですが、柔軟な価格設定とドコモポイントとの組み合わせにより、大きな効果が得られることが分かりました。中には、平常時よりも売り上げが5~10倍くらいになるケースもありました。

 第3の理由は個人開発者のパワーです。アプリストアの売り上げ上位を見ると、個人開発者が食い込んでいることが分かります。1割くらいは個人開発者ではないでしょうか。

月額課金のアプリが全体に占める割合は。

 月額課金アプリの数自体は多くありません。売り上げ比率は3分の1と言いましたが、そこまでではありません。

 ただ、月額課金アプリを含め、有料アプリが増えている傾向があります。細かい内訳はとれていませんが、全体の5割くらいは有料コンテンツではないでしょうか。このうち全体の1割は月額課金、というのが構成感です。

月額課金アプリにはどのようなものがありますか。

 例えば、ジー・モードの「テトリス☆ドコモダケ」やエディアの「ロト6「超」明解」があります。ロト6「超」明解は月額525円と、比較的高額のアプリですがダウンロード数が増えています。