ソーシャル・ジャーナリズムの具体的な手法について | IT企業のPR
テーマ:広報全般先日紹介したFacebook社のジャーナリスト・プログラム・マネージャーに就任したVadim Lavrusikが、ある記事の中で、ジャーナリストがソーシャル・ジャーナリズムを実践する際に具体的にどのようにFacebookのファンサイトを活用できるかについて解説していたので紹介したいと思います。これはあくまでもFacebookユーザーが多いアメリカのコンテクストの中で語られているものとご理解ください。
まずニュースの配信についてです。記者がFacebookファンサイトのプラットフォームを活用して、ニュースを配信できるのは当然のことですが、記事自体を掲載するニュースサイトへのトラフィックもあがるということです。Facebook社によると2010年の初頭以来、Facebookからニュースサイトに与えたトラフィックは300%以上増加したそうです。
また、記者個人が書いた記事をFacebook上で読む機会が増えるにしたがって、ある特定の媒体のニュースに関心を持つ読者というよりは、その記者独自の視点や切り口自体に関心をもつ読者を増やしていくことができるようになるとのことでした。
次にストーリーテリングについてです。記者にとって自らが取材している内容を記事が出来上がるまで公にすることはできないというのがこれまでの考え方だと思いますが、Vadim Lavrusikは、途中経過の内容を、端的なショートストーリーとして文章でアップデートしたり、ビデオや写真など様々なコンテンツで伝えていくことを勧めています。その例として、20万人以上の「いいね」ファンを抱えるニューヨークタイムズ記者のNicholas Kristofの取り組みを紹介していました。
次にファンサイトがニュースの情報源との関係を結ぶ上で有効ということです。ニュースの情報源は「いいね」ボタンを押すだけで、簡単にその記者とつながることができます。また、ファンサイトでは登録できるファン数に制限がないそうです。
次に記者のパーソナルブランディングができるということです。媒体のブランドのもとでなかなか見えなかった記者の顔が見えるようになり、読者との会話を通じて、記者のファンコミュニティを構築していけると述べています。
次は写真やビデオなどのマルチメディアを活用できることです。Facebookではたくさんの写真やビデオが共有されています。文章の記事だけでは伝えられないストーリーをこうしたマルチメディアを活用して伝えることができます。
次にリアルタイムでニュースを伝える速報性に優れていることです。読者にすぐに伝えたい最新ニュースを時系列で伝えることができますし、そのファンサイトの読者からの情報をもとに更にローカルでしか分からない最新情報を追加していくことができます。
次にコミュニティからの情報をもとにしたコンテンツを活用できることです。例えば、Fareed Zakariaは、これから予定しているインタビュー取材で読者が関心のある質問事項を聞きだすために自身のファンページを活用したり、「クエスチョン」機能を活用して読者が関心のある内容を投票させたりしています。
その他にもいくつかありますが、個人的に関心をもったのはこうした活用方法です。このようなソーシャル・ジャーナリズムがすでにアメリカで行われつつあるのはとても興味深いと思いました。
以下のサイトでVadim Lavrusikが作成した「A Jounalist's Guide to Facebook Pages」のプレゼンがアップされていますのでご参考にしてください。Preziでできているのでとてもユニークです。
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