KYOCERA 近未来story 中川翔子のG<ギザ>サイエンス! JOLF AM1242/FRIDAY 24:30〜25:00 ON AIR! メールはこちら
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京セラ 株式会社
株式会社 日経サイエンス
研究内容
参加ゼミ
2009.01.30 放送
東京大学大学院
理学系研究科 地球惑星科学専攻
松本 良 研究室
メタンガスと水が低温高圧のために固体になったメタンハイドレートは、押し固めた雪に似ていますが、暖めて解かすとこぼれた炭酸ジュースのように泡立つ点が違います。低温高圧である海の泥の中は、プランクトンの遺骸や、流れ着いた植物などで有機物にあふれています。有機物の分解の過程でメタンが生成されますが、メタンの濃度が高くならないため、メタンハイドレートができません。松本研究室では、何らかの理由でメタン濃度が高くなっている場所を調査するために船に乗り、海底の泥と水を回収して分析しています。恐ろしいことに、約2万年前この燃える氷が分解し、温室効果ガスであるメタンが大量に放出した可能性が出てきたため、最近ではこの事件の真相を調べています。

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本日の研究レポート
メタンハイドレートを巡る人類の冒険!

メタンハイドレートとは何か。
氷状になった固体物質だが、氷と決定的に違うのは、溶けるときにメタンガスを
放出する事。(中川君は、メタンというとおならを想像してしまうらしい。)
このため、メタンハイドレートはよく燃える。燃える氷と呼ばれる所以である。
20世紀前半にその存在が確認され、1970年代から本格的な研究が
始まったこの「燃える氷」は、現代文明に対して、二つの意味合いを持つ。
一つは、枯渇が懸念される石油や石炭などの化石燃料に代る、
新エネルギーとしてのプラス面の可能性。
そしてもう一つは、20世紀後半から問題となった
「地球温暖化」の原因かもしれないと言うマイナスの一面である。
未知なるものに「正と邪」「プラスとマイナス」二つの顔が存在するという事実は、
どこか哲学的ですらある。

東京大学大学院・理学系研究科・地球惑星科学専攻・松本研究室。
今回登場してくれたギザなサイエンティストは、このメタンハイドレートを研究しておる。
蛭田 明宏(ひるた・あきひろ)さん
土永 和博(つちなが・かずひろ)さん
鈴木 麻希(すずき・まき)さん
まりがたすうまたろす。
科学者のイメージとは、番組を聴いている皆はどんな風に持っておるのだろうか。
デスクを前にして本棚からはみ出しそうな本の山を前に、数式をひねり出したり、
試験管やビーカーから怪しげな煙が出ていたりだろうか(どちらもコント風だの)。
しかし実際のサイエンティストの多くが(その研究テーマにもよるが)、世界各地や
日本中を飛び回ってフィールドワークと呼ばれる現地に出向く事が多い。
今回の3人もまた同じように、新潟沖にあると言われるメタンハイドレートの現場に
出向き、巨大なストローで泥を吸いだしたり(自分で吸うわけではない。勿論だ)
海水を調べたりしておる。今回の話にも出てきたが、
漁船位の小さな船で荒海に出たりしてすごい目に遭ったりすることもあるらしい。
科学者もまた体力勝負だ。
しかし、そこには使命感と好奇心と飽くなき意思の力が存在する。
メタンハイドレートが天使か悪魔かはまだ分からぬが、それを見極めてくれるのは
彼らであることは間違いない。
ワシはこのレポートで、よく「人類の未来」という大げさな言葉を使うが、
是非諸君らにも覚えておいて欲しい。人類の未来は刻一刻と変化を続けている。
そして、ワシら凡人はただその流れに乗るしか出来ないが、その時代を切り開く人々が
少なからず存在する。科学者たちは、時代を切り開く人々である。
ワシはおっさんでバカな事しか考えられぬが、20代の若きサイエンティストたちが
真剣にそれぞれの分野で、未来と真正面から向き合っている話を聞くと涙が出そうになる。
いつの時代も、未来を切り開くのは若者だ。
つまり、君たち一人一人だ。そう、番組を聴いている君たちだ。
頑張ろう。