Lady Gagaのアルバムを99セントで売ったアマゾン約3億円の自社負担。

Lady Gagaのアルバムを99セントで売ったアマゾン約3億円の自社負担。

Lady Gagaの新作『ボーン・ディス・ウェイ』が110万8千枚という記録で全米1位を獲得したが、その内訳予測が発表された。

ビルボード誌によると、デジタルでの売り上げが全体の60%を占める662,000枚。
さらに公式には発表されていないが、そのうち444,000枚分がアマゾンで売れたと予測されている。

アマゾンは、以前もご紹介したように、アルバム発売初日にデジタルダウンロードをなんと99セントで発売。

しかし、値段を安くしても、アーティストには規定の値段8〜9ドルを払うことになっているので、売れれば売れるだけアマゾンが損をするシステム。

当初99セントでの売り出しは発売初日だけということになっていたのだが、
クラッシュしてしまったため、翌日も99セントで売り出した。もし本当に44万枚が売れたとすると、アマゾンは約300万ドル、円高なので、2億5千万円くらいか、を自社で負担したことになるそうだ。

しかし、この99セントで買った人は自動的にアマゾンのクラウドサービスに加入する(無料)システムになっていたので、クラウドのプロモーションとして、ガガの新作を使ったということ。広告費と考えると安いのか??

ウォール・ストリート・ジャーナルが、アマゾンが99セントで売ったことについてガガに、アルバムは99セント以上の価値があるのでは?と
聞いたところ、

「ないわ。絶対にないわ。とりわけMP3やデジタルだったらないわ。デジタルは目に見えないもの」と答えている。
http://blogs.wsj.com/speakeasy/2011/06/01/lady-gaga-says-her-album-isn't-worth-more-than-99-cents/

「だからアマゾンのように通常盤CDとデジタルの値段に差をつけるのは素晴らしいと思うわ。おかげで誰でもアルバムを買えるから。それに、厳密に言えば、99セントだったわけではなくて、アマゾンが差額を払ってくれているの。つまり、彼らが自分たちのサービスのプロモーションのために私のアルバムを使ったということ。私のアルバムを選んでくれたことを光栄に思うわ」と語っている。

もちろん99セントでの発売はアメリカでは論争を巻き起こし、CDを発売している店舗などは、おかげで見込みの半分しか売れなかったと文句を言っていた。また99セントで売れたものをチャートにカウントしてもよいのか?という論争もあったが、それはありということになった。携帯を買うと自動的にガガのアルバムがもらえるというサービスもあったらしいのだが、それはカウントされなかった。

また、ガガのレーベル、ユニバーサルは当初このアルバムの売り上げを、60万枚と見込んでいたが、アマゾンが99セントで発売を開始した後、 100万枚超えるかも、と予測し直していた。約40万枚の誤差が、アマゾンでの売り上げ枚数とあいますね。ちなみに、アマゾンが99セントで売り出すことはユニバーサルは知らなかったそうで、だから言ってみれば棚ぼた。
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