【まめち】意外と知られていない父の日と母の日の由来とは?

access_time create folder生活・趣味
父の日の由来は?

毎年6月の第3日曜日は父の日。今年は6月19日が父の日ですね。みなさんは、もうお父さんへのプレゼントは用意しましたか? ところで、父の日や母の日は「親に感謝の気持ちを表す」記念日として全国に普及していますが、その由来は意外と知られていません。いったい、いつどこで始まったものなのでしょうか。

母の日の起源は17世紀から?

ふたつの記念日のうち、歴史が古いのは母の日です。一説には、イギリスやアイルランドで、奉公に出された子どもたちが年に一度だけ教会で母親に面会できる、復活祭前の祝日として祝われていたのが起源と言われています。でも、その起源は世界中でさまざまなバリエーションがあり、日付のほうもも2月~5月を中心に国によってバラバラです。

日本の母の日の由来はアメリカ

聖母マリアの涙のひみつ

「母の日にカーネーションを贈る」という習慣が始まったのはアメリカ。 南北戦争のさなか、敵味方を問わずに負傷兵の衛生改善に尽力したアン・ジャービスという女性の死後、娘のアンナが亡き母の命日(1907年5月12日)に教会で記念会を開催。参列者に母の愛した白いカーネーションを配ったのが、現在日本で広まっている母の日の始まりでした。

母の日にはなぜカーネーション?

また、カーネーションには「十字架に架けられるキリストを見送った聖母マリアがこぼした涙が落ちた地面に咲いた」という伝説があり、古くから母性愛の象徴とされていたことも「母の日にカーネーションを贈る」習慣につながっているとも言われています。その後、カーネーションの色の意味合いが「存命する母がいれば赤、亡くなっていれば白」とされるようになりました。

男手ひとつで6人の子どもを育てた父親を記念して

父の日もまたアメリカ発祥の記念日で、南北戦争に関係しています。ワシントン州のソノラ・スマート・ドッドという女性は、幼いころに南北戦争を経験。夫を召集されて6人の子を一人で育てていた母親は父の復員後に過労で亡くなり、男手ひとつで子育てに奮闘した父もまた、子らの成人を見届けるとこの世を去ってしまいます。そこで、ソノラは「母の日があるなら父に感謝する日も作りましょう」と牧師教会に願い出て、1910年6月19日に最初の祝典を実現させたのです。ちなみに、父の日の日付も世界各国でバラバラです。

父の日のシンボルフラワーは?

父の日のシンボルフラワーは白いバラ

母の日にはカーネーションなら、父の日にはどんな花を? 実は、父の日はバラの花がシンボルなんです。その由来は、「ソノラ・スマート・ドットが父の墓前に白いバラを供えたから」「バラは十字架にかけられたキリストの血の跡に咲いた花だから」などの説があるようです。父の日も母の日も、教会でスタートしたこともあって、実はキリスト教につながっているんですね。バラの色は、存命する父がいれば赤、亡くなっていたら白という風に意味づけられています。

カーネーションやバラの花を贈るのはなぜ?

もともと、カーネーションもバラの花も、教会での式典で「胸につける」ものだったようですが、日本では「胸に花をつける」習慣がなかったせいか受け入れられず、いつのまにか「プレゼントする」ことが主流になりました。さらに、「男性に花を贈る」ということも一般的でなかったせいでしょうか。母にカーネーションを贈る習慣は広く普及したのに、父の日にバラの花を贈る人はあまり多くないようです。

* * * 
父の日、母の日それぞれに、南北戦争を背景とした家族の物語が秘められていたんですね。しかも、キリスト教教会に根差した行事としてスタートしていたなんて想像もしていませんでした。日本では、儒教思想を受け入れてきた歴史から年長者を敬う文化があるので、「まあ、起源はどうあれ、親孝行はしたほうがいいね」という感じで、父の日・母の日が普及したのかなと思います。また、外来の文化は、それぞれの国の風土に根付くにしたがってローカライズされていくもの。日本の父の日や母の日も、すでに日本独自の記念日として醸成されていると言えるのかもしれませんね。

ともあれ、一年に一度くらいは、両親に向かい合ってきちんと感謝の気持ちを表現してみたいもの。今年の父の日、あなたはどんな風にお父さんに思いを伝えますか?
 

  

父の日のプレゼントって母の日以上に悩ましいですよねー。

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 【まめち】意外と知られていない父の日と母の日の由来とは?
access_time create folder生活・趣味

Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。