第93回埼玉大会シード校分析(3)大宮東、埼玉栄

■Cシード 大宮東

 春は県8強入りし、吉本監督が就任した2003年以来、8年ぶりにシード校となった。昨夏は4回戦で春日部共栄に3−4で競り負けたが、主軸を担った今川、高山亮の長距離打者が残った。強力打線に加え、左腕エース吉嶺は安定感がある。投打に戦力が整い「精神面と肉体面、一番いい状態で臨んでほしい」と吉本監督は21年ぶりの夏の甲子園出場へ意気込む。

◇攻撃「主砲高山復帰、爆発力秘める」

 秋に腰を痛めた主砲高山亮の復帰が大きい。1番中田は出塁率が高く、2番山下は機動力もある。打撃センスに優れる3番今川、4番高山亮は昨夏も本塁打を量産。2年生福田を加えたクリーンアップは県内屈指の爆発力を誇る。6番松本も長打力十分。下位にも強打者がそろい、どこからでも点が取れる。全体的に体格にも恵まれ、相手投手に与える威圧感は大きい。

◇守備「エース吉嶺ら多彩な投手陣」

 左腕エースの吉嶺はキレのある直球と多彩な変化球を持つ。タイプの違う2年生渡辺はコントロールに優れる。控えには落差のあるフォークが武器の佐藤と左の高山翔が控える。投手によって女房役が変わり、西畑は声が大きいチームのムードメーカー。主将の天内は巧みなリードでけん引。連係抜群の二遊間は併殺プレーもお手の物。外野には俊足の選手がそろう。

■Dシード 埼玉栄

 Aシードで臨んだ一昨年は準優勝したが、ノーシードだった昨年は2回戦敗退。現チームは秋8強、春は16強だったがいずれも浦和実に敗れた。元ソフトボールの女子日本代表監督で、就任3年目の細淵監督は「ことしは打線がいい。投手が3、4点に抑えれば勝負できる」と意気込む。特定の選手に頼らず「総合力」をキーワードに13年ぶりの頂点を目指す。

◇攻撃「代打積極起用で着実加点狙う」

 レギュラーと控えに力の差がなく、自慢の代打陣を早い回から臨機応変に起用していく。バントなどの小技が手堅く、1点を確実に奪う攻撃が持ち味だ。1番猪野は左右を苦にせず、2番角田はつなぎに徹する。3番浅見は広角に打ちこなし、4番石田はパンチ力を備える。代打に控える楠久、矢崎、坂本、窪木らも打力では遜色なく、先発も十分にあり得る。

◇守備「松本、板橋を軸に継投基本」

 絶対的なエースや先発完投型がいないため、複数投手を惜しげもなくつぎ込む継投が基本だ。先発候補は最速135キロの直球を持つ本格派右腕の松本と、多彩な変化球を両コーナーに投げ分ける技巧派右腕の板橋。左の酒井、右の多賀谷が救援に回る。守備は捕手の石田を中心に全体的にそつがない。内野は主将で二塁手の角田を筆頭に堅実。外野は俊足ぞろいだ。

埼玉新聞