グリコ「アイスの実」のテレビCMに出演するアイドルグループ「AKB48」の新メンバー、江口愛実(えぐち・あいみ)はメンバーの顔のパーツを組み合わせた架空の存在だった――。
江崎グリコは13日から開始した「アイスの実」の広告キャンペーンにAKB48を起用。メインキャラクターとして出演している謎のメンバー・江口愛実の正体が話題を呼んでいたが、ようやくその正体が明らかになった。今回の企画を手掛けたのは電通関西支社。仕掛け人であるクリエーターの中尾孝年氏(電通関西・クリエーティブ局)に「江口愛実」誕生の裏側を明かしてもらった。
「実在するアイドル」とだますことが狙いではない
同社は20日からテレビCMを放映するにあたり、メンバー・江口愛実の「正体」を発表。彼女の顔は「前田敦子の目」「大島優子の髪」など、6人のメンバーを組み合わせたものであることを示す広告も同時にお披露目となった。さらにはAKB48全メンバーの顔のパーツを組み合わせて「自分だけの究極のAKB48」を創り出せるWebコンテンツ「推し面メーカー」もスタートしている。
中尾氏は「登場はあたかも実在するかのような演出だったが、このキャンペーンの狙いは“実在するアイドル”として皆さんをだますことではない」と強調する。「作りモノなんでしょ?と暴きながらも、分かりながらも、彼女の存在を遊びとして楽しんでいただくのが狙い。さすがファンの皆さんは鋭くて、こちらが予定していたよりもはるかに早く、どんどん疑惑を暴いていかれるので脱帽だった」。
合成やCGというより、メンバーを「組み合わせる」感覚
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企画段階では、「彼女はメンバーを組み合わせて創ったアイドルだよ」というヒントをあえて細部に残すことにこだわったという。例えばオリジナルメンバーのほくろをそのまま残したり、名前を「アイスの実」に近い「愛実」としたり、プロフィール設定で彼女の誕生日を江崎グリコの創業日とするなど、多数のヒントを散りばめた。
「魅力的なAKB48のメンバーの、魅力的な部分を組み合わせたら、今まで見たこともない魅力的な究極のアイドルが生まれるのでは?という思いが企画の発端。だから合成やCGというよりは“組み合わせる”という感覚で愛実ちゃんが生まれた」と中尾氏。「この企画を通じて、広告もなかなかやるね。CMってやっぱ楽しいわ、と思っていただければ」と話している。
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