クリエイティブビジネス論!~焼け跡に光を灯そう~

元コピーライター・境 治が、焼け跡になりつつあるこの国のクリエイティブ業界で、新たな理念を模索するブログなのだ!

ぼくたちにこれから、何が起こるか?

2011-05-01 10:25:37 | 境塾
前回もお伝えした通り、「第一回・リアル境塾」を5月22日に開催します。

ゲストはなんと、佐々木俊尚さん!

お申し込みはこちらのページから。Facebookページ上だけど、Facebook未登録でも申し込めるとのこと。まだまだ、お席にはたっぷり余裕があるらしいので、どんどん申し込んでくださいね。

さてその佐々木俊尚さんの著書『2011年 新聞・テレビ消滅』は皆さん読んだだろうか。ここで言う”消滅”は象徴的に言っていて、2011年に新聞社やテレビ局がつぶれるなどという話でもない。でも、この震災で象徴的でもなくなってきた。消滅は大げさでも、マスメディア界や広告業界が壊滅的な打撃を受ける可能性がある。

そこで、上の表を作ってみた。単位を書いてないけど、100万円ね。だから、2005年度の代理店大手5社計は、2兆9564億円、ということですね。広告代理店大手5社の数字を並べている。この5社の数字は、上場しているので公表されているからわかりやすい。電通と博報堂、大広、読広は連結ではなく個別の数字。連結数字にしちゃうといろんな業態の会社が入ってきちゃうので、純粋な広告代理業に絞った数字がわかるようにしてある。ADKだけは連結数字で、しかもここは12月決算。3月決算の他の会社と並べると誤差が出るわけだけど、大まかな傾向はわかるでしょ、ってことでそのまま計算している。

下にあるのはGDPとその伸び率。

とりあえずこの数年の傾向をおさらいしてみよう。2007年度に大手5社で3兆円弱だった売上高が、2008年度、2009年度とがっくんがっくん下がって、2兆4千億円にまでなった。2年間で6千億円、2割減ったわけだ。大変なことだったね。

この時はGDPとほぼ連動している。日本の広告費はGDP全体の1.2~3%を占めている。GDPの変化に応じて増えたり減ったりする。GDPの減り幅より大きく減るのは、”振り回される”からなんだろうね。

さてこの大震災でどんな影響を業界は受けてしまうのか。

GDPとの関係から考えてみるかな?2011年度のGDPの伸び率が99.4%とすでに書いてあるね。これは、こないだテレビでロバート・フェルドマンさんが言ってた数字。フェルドマンさんじゃなくても、この震災の今年度のGDPへの影響は0.5%ダウンとか、1%ダウンとか、そんなもんだとみんな言っている。この4-6月期は5%ぐらいのマイナスになるけど、それ以降は復興でかえってプラスになるので、差し引きするとそんなもん、ということらしい。

なーんだ、だったら、たいしたことないんじゃないか?そう言いたくなるね。1割も影響を受けないんじゃないか、とか・・・

でもねえ・・・どうやらそんなもんじゃ済みそうにないらしいんだ・・・

GDPは経済全体の話だけど、広告業界はこのネガティブな気分の影響を強く受けそうだ。それから、クルマや家電など広告費を多く使ってきた業種の生産が、今年いっぱい力強く動きそうにない。生産ができず”売るモノ”がないのに広告なんかやってもしょうがない。この震災の影響は、GDPの動きとはまったく別の波及をしてきそうなんだ。

ある筋によると・・・今回の影響は、前年比1割2割のマイナスでは済みそうにないのだそうだ。下手をすると3割4割のマイナスもあり得るとか・・・いやいやいや!そんなことあるだろうか?!

もし3割ダウンだとすると、いま2兆4千億円なのが、1兆7千億円ぐらいになってしまう。ほんの数年前まで3兆円あったのが半分近くにまで減るというの?そんなムチャクチャな・・・そこまで悲観する必要はないと思うけど・・・

この段階でこの試算をするのは、ちょっと無理があり過ぎる。もう少し様子を見ないと結局何とも言えないね。ただね、3割かどうかはともかく、大きな影響を受けるのはまちがいない。ぼくたちの村に、黒い水が押し寄せるのは、これからなんだ・・・

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-05-04 18:19:08
もともと不要だったものが、時代についていけずに滅びていくだけの話でしょう。