第93回埼玉大会シード校分析(2)市川口、所沢北

■Cシード 市川口

 上位から下位まで切れ目のない強力打線が持ち味。今春の県大会では3回戦で浦和学院を相手に9−7と打ち勝ち、8強入りを果たした。第90回の南埼玉大会以来、3年ぶりに夏のシード権を獲得。1、2年生も成長著しく、レギュラー争いも激しい。長井監督も「投打がうまくかみ合えば面白い」と自信を見せるように、悲願の初制覇も期待できる。

◇攻撃「ダブル中軸で抜群の破壊力」

 広角に打ち分け、どこからでも点が取れる。1番山田は機動力を備え、不動の2番、須永は確実につなぐ。3番には好調の山川が入り、4番は長打力と勝負強さを兼ね備えた2年生山本。5番の古川大、6番小池はパンチ力がある。7番日野は1年生ながら優れたセンスを持ち、8番横溝も川口市選抜で4番を務めた逸材。ダブルクリーンアップで破壊力は抜群だ。

◇守備「多様な投手と安定の内野陣」

 右横投げの仲田は2種類のスライダーとシンカーが武器。左腕高橋はスライダーやチェンジアップで丁寧に打ち取る。先発候補の2人に加え、内外野もこなす古川真、190センチの長身牧田らが控える。公式戦初出場の2年生捕手横溝をはじめ、強肩の選手がそろう。内野は安定感があり、外野は守備範囲の広い選手が多い。送球ミスを減らすことが課題になる。

■Dシード 所沢北

 秋春続けて16強入りを果たし、2005年以来のシード権を獲得。センターラインを中心に守備からリズムをつくり、少ないチャンスを逃さない集中力で得点を重ねる。チームを率いて10年目の節目を迎えた中野監督は「何が起こるかわからない状況下で、今まで練習で積み重ねてきたことを出し切れるかがポイント」と平常心でのプレーを課題に挙げる。

◇攻撃「犠打と盗塁で次の塁を狙う」

 優れた選球眼としぶとさを持つ1番見喜、2番入江が出塁できるかが焦点。1年の夏から出場している3番山崎は勝負強く、長打力もある。投手も務める4番羽田、5番原も打線の中軸を狙う。6番中沢をはじめ、7番松葉、9番藤沢と機動力のある選手が下位打線に並び、つなぐ打撃で得点を狙う。犠打は確実性が高く、盗塁も多用。次の塁を狙う意識が強い。

◇守備「切磋琢磨する右腕羽田と原」

 エースナンバーを交互に背負う羽田と原の2本柱。右上投げの羽田は130キロ中盤の直球とスライダーで巧みに攻める。同じく右上の原は最速138キロの直球と多彩な変化球を持ち、2年生の小林、小田が控える。捕手の中沢は2年生ながら特長を生かしたリードを見せ、昨年からレギュラーの見喜、山崎の二遊間を中心に内野は堅実。外野は打球判断に優れる。

埼玉新聞