聞き手:磯山友幸(ジャーナリスト)
vol.2はこちらをご覧ください。
---東日本大震災の復興に向けた国家のグランドデザインとして、首都機能の一部を福島に移すべきだと主張されていますね。
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塩崎: 今回の地震・津波では、尊い人命や大切な財産が失われただけではありません。東京電力福島第一原子力発電所の事故で稀少な国土も喪失してしまったと言っていいでしょう。
放射線の影響で福島県の太平洋岸の30キロ圏内は、今後数十年にわたって人々が安心して生活を営む環境ではなくなってしまったと言わざるを得ないでしょう。何よりも、自宅のある故郷に帰るメドすら立たない人たちに、将来のビジョンと新たな雇用の場、生活の場を提供することが必要です。
それには、国会を福島に移し、新都を建設することが最善の策ではないかと考えています。唐突に聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。長年にわたって議論してきた首都機能移転問題で、国会等移転審議会が調査対象地域として絞り込んだ候補地が福島県の阿武隈山系台地です。この計画を即座に実施に移せばよいのです。5年後に移転と決めて、新都の建設に取り組むわけです。