かわいい愛犬に素敵な芸を教え込む方法。電気ショック首輪の是非。

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    かわいい愛犬に素敵な芸を教え込む方法。電気ショック首輪の是非。

    GPSの会社GarminがTri-Tronicsという会社を買収したそうです。この会社は、犬用の首輪を作っている会社です。それも、ボタンを押すと電気ショックが与えられるという恐ろしい首輪です。こんな首輪本当に必要なのでしょうか?

    ショックを与える首輪は犬にとって、あるいは他の動物にとってもよくありません。犬を従わせたいからといって、こんなもの使う必要があるのでしょうか?科学者の答えはノーです。

    行動学的に考えてみましょう。全ての行動は、行動促進行動抑制に分類されます。行動促進の場合、同じような状況があったら繰り返し行う傾向が、抑制の場合はしなくなるようになります。

    行動促進と抑制にはそれぞれポジティブなものとネガティブなものがあります。ここでいうポジティブとは、よいという意味ではなく、何かが与えられるという意味です。そしてネガティブは何かが失われるという意味です。4つそれぞれに具体例をあげてみます。

    ポジティブ/行動促進:何かを行って、何かよい事が起きた。(ご飯を作ったら、みんなが喜んでくれた。次、また作る。)ネガティブ/行動促進:何かを行って、悪いことが起きなくなった。(天井をつついたら、大音量の音楽が止んだ。次、うるさかった時も天井をつつく。)ポジティブ/行動抑制:何かを行って、何か悪い事が起きた。(赤信号で渡ったら罰金を取られた。次、赤信号は渡らない。)ネガティブ/行動抑制:何かを行って、よい事が起きなくなった。(帰宅時間を守らなかったので両親が外出許可をださなくなった。次、あまり遅くならないようにする。)

    私は、犬にさせたい事をポジティブ/行動促進(何かを行って、何かよい事が起きた。)という流れの中で行わせるようにしています。これは本当によく効くので、ネガティブ/行動促進やそれ以外の2つを行う必要はないと考えます。ポジティブ/行動促進を使うと、犬にとってもスゴイことを覚えさせることもできます。例えば、下の動画の犬のように。また介助犬や警察犬など仕事に従事している多くの犬は、ポジティブ/行動促進の訓練だけを受けています。

    電気ショック首輪はネガティブ/行動促進です。犬を座らせるために電気ショック首輪を使うとしたら、電気ショックをonにして、犬がお尻を床につけたらoffにするということです。座るという行動は痛みが取り除かれる、という形で行動促進されます。拘束した囚人が告白するまで水をかけるようなものです。愛している動物にやる行動ではありません。あなたの良心が痛むだけではなく、犬の健康にもよくありません。繰り返されるショックはストレスを生み、コレストロールレベルを上昇させます。こうして健康に支障をきたし、結果的には犬の寿命を縮めます

    電気ショック首輪は行動抑制にも用いることができます。柵を超えようとする度などにショックを与えたり、ということです。でも、犬の状況の把握の仕方が私たちと同じがどうかは分かりません。私たちは犬としゃべれないわけですから、犬が電気ショックと行動をどのように関連づけているのか分からないわけです。例えば、宅配業者に飛び乗ってショックを与えられたら、犬は宅配業者がショックの原因だと思うかもしれません。飛び乗ったことではなくて。

    犬が好きだから犬を飼っているわけです。どうして彼らが混乱してしまうような事をするのでしょう?私の犬が私の言う事を全く理解しなくて、して欲しいことをちっともやってくれなかったとしても、私はおやつをあげるという訓練の方が、忘れられないような痛みを与える電気ショック訓練の方がよいです。

    電気ショックの首輪を擁護する人たちは、ショックはとても小さく、そんなに問題にならない程度だと言うでしょう。でも、ショックを与えられた犬の顔を見るととてもそんなことは信じられません。犬は自分の痛みを説明することができないのですから。でもYouTubeには自分に電気ショック首輪を試してみた人の動画がupされています。これを見てみて判断してはどうでしょう?

    GarminがどうしてTri-Tronicsを買収したのか見当がつきません。それにこれから電気ショック首輪がどうなっていくのかも。でもただ1つ言えるのは、愛犬に電気ショック首輪は必要ないということ!

    [TheDogs]

    mio(米版