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コロプラおでかけ研究所レポート#6 東京ディズニーランドは九州人に大人気! 政府発表指標(特サビ、DIなど)と「おでかけ」との相関性は高い

おでかけを科学する<コロプラおでかけ研究所(主席研究員:長谷部潤)>は、株式会社コロプラ(代表取締役:馬場功淳)が運営する位置ゲープラットフォーム「コロプラ+(プラス)」における月間4,000万回もの位置登録情報を分析した結果、震災で大きく落ち込んだ遊園地などテーマパークへのおでかけが5月に大きく回復していることが判明した。

合わせて経済産業省が発表している「特定サービス産業動態統計調査」および内閣府が発表している「景気ウォッチャー調査(DIなど)」と当研究所が発表している「おでかけ関連指数」との相関性の高さも同時に明らかになった。DIでは3月に比べ4月は更に下落したエリアが半数以上あったが、おでかけ関連指数では沖縄を除き全て上向いており、5月のDIが全国的に改善されることを予想している。

※位置登録データは統計処理をしており、ユーザの皆様個人を特定できるものではありません。
※当該資料はサマリ版です。フルレポートはこちらのPDF(1124KB)をご覧ください。


九州エリアの人々の10年1月から11年5月までの主要テーマパーク入場者数比較
<コロプラ+>での位置登録ユーザ数データを元に都道府県人口分布比で修正し入場者数を算出した

経産省の「特サビ」と「おでかけ指数」との相関性を見る

5月16日、経済産業省から驚きのデータが発表された。遊園地・テーマパークの3月売上高が前年同月比でほぼ半減(▲49.9%)した、というのである。発表データ元は「特定サービス産業動態統計」、統計データを見ている人たちの間では通称「特サビ」と呼ばれているものだ。特サビは、特定のサービス業を29業種に分けて、それぞれに属する各企業に売上高や来場者数など重要経営指標をヒアリングしており、直接かつ業種に応じた質問内容であることから、鮮度の高い有用な統計データとして評価されている。

<コロプラおでかけ研究所>は、この特サビの「入場者数」と、当研究所のおでかけ関連指数との相関性を調べた。ここで使うおでかけ関連指数は、<コロプラ+>の位置登録ユーザ数である。対象を、東京ディズニーランド(TDL)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、ナガシマリゾート、富士急ハイランド、横浜・八景島シーパラダイス、の五つとし、2010年1月からの状況を指数化した(下記グラフ参照)。期間内相関係数は0.74とかなり高い数値であり、おでかけ関連指数(ここでは位置登録ユーザ数)の有用性が確認できる。ちなみに8月は、地方の遊園地ほど「夏休み偏重」が強く、5つしかカバーしていない当研究所データとのかい離が広がったようだ。

特サビは翌々月中旬に速報が発表されるが、若干の遅さは否めない。当研究所データのようなネット活用したリアルタイムな情報も、政府系統計データを補完するものとして、今後徐々に一般に認知されてゆくのではないかと考えている。


特サビ(遊園地テーマパーク)入場者数と<コロプラ+>位置登録ユーザ数との相関チャート

テーマパークも「地産地消」~地方ほど遠方客比率が高まる~

位置情報を活用すると「何人来場?」だけではなく「どこから何人来場?」まで分かる。結論から言うと、テーマパークも「地産地消」の傾向が強いことが判明した。


テーマパークエリア別入場者#1。TDL、USJ、ナガシマリゾート


テーマパークエリア別入場者#2。富士急ハイランド、八景島シーパラダイス

上記グラフは、<コロプラ+>の位置登録ユーザ数を元に、各都道府県別人口(15歳~59歳)に合わせて修正した「推計入場者数」である。<コロプラ+>ユーザは関東にやや偏重しており、それを実際の都道府県別人口分布に合わせたことで、また、実際に利用しているユーザ世代(それが15歳~59歳)をも勘案したことで、より実際に近い推計値になったのではないかと考えている。

幾つか興味深い特徴が読み取れる。まず、我が国の二大テーマパークであるTDLとUSJについては、8月よりも12月――つまり夏休みよりもクリスマスの方が、来場者は多い、ということである。クリスマスは地元周辺客の比重が高まるため、大都市圏にある両者が有利であるものの、単なる遊戯施設ではなく本当の意味でのテーマパークにまで昇華しているか否かの差も色濃く表れているのではないかと考えている。

TDLともUSJとも違うナガシマリゾート~地元客と遠方客の好バランス~

名古屋圏のナガシマリゾートも「大都市圏」という点では前記二施設に比べ大きなそん色はない。しかしながら、やはりデータを見る限り、「夏休みの家族連れニーズ」の突出した高さを見てとれる。

そして、ナガシマリゾートはもう一つ大きな特徴を有している。それは関西エリアからの来場者比率が高い、ということである。関東より関西の方が近いとはいえ、両エリアからの来場者比率には大きな差がついている。

下図はナガシマリゾート来場者数のうち地元である東海エリアからの来場者を「折れ線グラフ」かつ「右軸」にしたものである。地元以外の来場者のうち薄いブルー地のグラフである関西比率の高さがうかがえるだろう。地元とそれ以外との来場者数推移トレンドが近似しているのもナガシマリゾートの特徴である。こうした特徴から今回の震災の影響は非常に軽微であったことが数値から推察できる。

このゴールデンウィーク(GW)は「近場ニーズ」がやはり強かった。逆に言えば「遠方の利用者をどれだけ落とさずに済んだか」こそが前年同期比でのポイントだったのである。その点、遠方利用者の多くが、震災の影響が少なく(そしてそこそこ近い)関西エリアであったことが、ナガシマリゾートにとって奏功であったと考えている。


ナガシマリゾートのエリア別入場者。地元の東海エリアからの入場者のみ右軸で表示

やはり遠方客が厳しかったTDL

「遠方客」の目線で厳しい結果となったのがTDLである。もともと地元客の比重が高いので、全体としての影響はそれほど大きくはない可能性はあるものの、地元以外だけで例えば昨年の4月と今年の4月を比較すると、約3分の1と非常に大きな落ち込みとなっている(下図参照)。当研究所では集計できない「外国人観光客」の落ち込みまで加味すると、遠方客の落ち込みはやはり無視できない水準であったと思われる。

もっとも、4月15日に営業を再開し、その後のGWの回復を見れば、TDLの底知れぬ強さがうかがえるだろう。遠方客の回復は昨年5月水準に及ばなかったものの、地元客について言えば、前年12月水準さえ上回ったデータとなっている。5月16日から地元(東京、千葉、神奈川、埼玉に在住、在勤、在学している方)を対象とした期間限定パスポート「ホームタウンパスポート」を投入した効果も大きい。これは通常で大人6,200円のパスポートが4,900円で購入できるもので、当研究所データでは、GWが終わった5月9日(月)~5月15日(日)に対し、当パスポート導入後の5月16日(月)~5月22日(日)における関東エリアユーザ推定来場者数は5%アップしたと試算している。

関東の人々がこのGWにTDLに集中したことで、割を食ったのが八景島シーパラダイスと富士急ハイランドである。特にシーパラダイスは、そのライトさから元々GWニーズが強く、5月は8月と双璧をなす稼ぎ時であったが、今年は厳しかった模様(4ページ参照)。


TDLのエリア別入場者。地元の関東エリアからの入場者のみ右軸で表示

なぜか九州の人に大人気のTDL

TDLは遠方客の落ち込みが厳しい、と前ページに記したが、地方のTDL人気は、例えば同列比較されることの多いUSJと比べると、大いなる差がはっきりと見て取れる。一つは九州エリアである。USJよりTDLの方が約2倍遠方ながら、(少なくとも震災前までは)圧倒的にTDLの方におでかけしていることが分かる。東海エリアも同様で、TDLとUSJの二施設対決では、九州以上に「TDL贔屓」であることが分かる(ともに下図参照)。理由はさすがに当研究所では計りかねるが、こうした「熱烈なファン」がTDLを支えていることは間違いないだろう。


九州エリア、東海エリアの主要テーマパーク別入場者グラフ

DI(景気動向指数)と移動距離との相関性を探る

今回のレポートも、これまでと同様に位置情報から身近なものを分析する――今回で言えば、各遊園地・テーマパーク――というスタンスで記している。ただ今回はそれとは別のもう一つの側面として、「特サビ」の遊園地・テーマパークの入場者数と<コロプラ+>の位置登録ユーザ数を元に試算した推定入場者数との相関性について触れるなど、政府から開示されている経済指標・景気指標の「補完」を当研究所の「おでかけ関連指数」が行えないか、についても考察したものとなっている。

最後に、そうした政府系指標の一つである内閣府が発表しているDI(景気動向指数)と前回のレポートで取り上げたおでかけ関連指数の一つである「移動距離」との相関性について触れてみたい。下図は関東と近畿のDIと<コロプラ+>の移動距離前年比の伸び率を50倍したものを比較したものである(移動距離伸び率を50倍したのはDIのニュートラル値が50であるため、分かりやすくするためそれに合わせたことによる)。


DIおよび<コロプラ+>ユーザ当たり移動距離前年同月比との比較チャート

結果は、DIとおでかけ関連指数との相関係数は、関東で0.79、近畿で0.65とともに高い値であった。つまりユーザの移動距離が伸びれば、それは景気が上向いていることを示していると考えて良いということである(厳密にはDIの上下は景気拡大・縮小に直接の関係はない)。一人当たり平均移動距離は関東、近畿ともに3月を底に4月、5月と伸びている。DIについても5月は関東、近畿ともに上向くのではないかと予想している。今後とも機会があれば、こうした「景気先行指標」的な考察を行ってゆきたいと考えている。

東京ディズニーランドは九州人に大人気!政府発表指標(特サビ、DIなど)と「おでかけ」との相関性は高い(1124KB)

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コロプラおでかけ研究所について

株式会社コロプラ内に設立された「おでかけ」に関するリサーチセンター。位置情報プラットフォーム<コロプラ+>におけるユーザからの月間4,000万回にも及ぶ位置登録情報データをベースに「人々の移動」を調査・分析し定期レポートを発表している。

主席研究員:長谷部潤 ※株式会社コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)を兼務

【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】

株式会社コロプラ 経営企画部:天野 press@colopl.co.jp

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